セッション情報 Research Forum4

NAFLDの病態

タイトル RF4-3:

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)診断におけるControlled attenuation parameter(CAP)の有用性

演者 菊池 真大(東海大学医学部付属東京病院消化器肝臓センター)
共同演者 中原 史雄(東海大学医学部付属東京病院消化器肝臓センター), 井本 昭子(東海大学医学部付属東京病院消化器肝臓センター), 濱田 郁子(東海大学医学部付属東京病院消化器肝臓センター), 塩澤 宏和(東海大学医学部付属東京病院消化器肝臓センター), 青木 純(東海大学医学部付属東京病院消化器肝臓センター), 松嶋 成志(東海大学医学部付属東京病院消化器肝臓センター), 西崎 泰弘(東海大学医学部付属東京病院健診センター)
抄録 【目的】我々は,心血管関連死が多いことで知られる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)では,動脈硬化指標である頸動脈内膜中膜肥厚度や脈波伝搬速度が上昇しており,動脈硬化促進因子であるレムナント様リポ蛋白コレステロール,中性脂肪,遊離脂肪酸が増加することを報告し,病初期からの拾い上げの重要性を指摘した.一般的に脂肪肝のスクリーニングは,B-モード超音波で行われるが,検者の主観に委ねられている部分が大きい.今回,我々はFibroscan502(Echosens社)を使用し,controlled attenuation parameter(CAP)値で肝臓の脂肪化を定量的に測定し,NAFLD患者抽出の有用性につき検討した.【方法】当院外来通院中の非肝炎ウィルス患者で,アルコール摂取量1日20g未満であった23-89歳の男性97例,女性46例を対象とした.腹部超音波検査で脂肪肝の有無を判定し,NAFLD(+)84例と(-)59例の二群に分け,CAP搭載Fibroscanを用い脂肪化を測定した.また,各種身体計測や採血マーカーより,肝脂肪予測式として知られるFatty liver Index(FLI)(Bedogni G.2006),Hepatic steatosis index(HSC)(Lee JH.2010),Lipid accumulation product(LAP)(Chinag Jui-Kun.2012)を算出し,ROC解析を行った.【結果】NAFLD(+)群は(-)群に比し,CAP値,FLI,HSC,LAP全てで有意に高かった(P<0.0001).NAFLD診断能としてのAUROCはCAP=0.9057,FLI=0.8008,HSC=0.8207,LAP=0.7595でCAPが有意に優れており,CAPのcutoff値は251dB/mで,感度87%,特異度83%であった.【結語】NAFLD診断には定量測定可能なCAPが有用であった.臨床現場への導入により,早期からの医療介入が可能になり,肝臓病診療のみならず,動脈硬化進展をはじめとした生活習慣病の改善に寄与すると考えられた.
索引用語