セッション情報 | Research Forum5肝癌の内科・外科治療 |
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タイトル | RF5-1:AFP,FIB-4 indexを用いたC型肝疾患よりの発癌リスクの層別化 |
演者 | 小林 正宏(虎の門病院肝臓センター) |
共同演者 | 宗林 裕史(虎の門病院肝臓センター), 福島 泰斗(虎の門病院肝臓センター), 川村 祐介(虎の門病院肝臓センター), 瀬崎 ひとみ(虎の門病院肝臓センター), 保坂 哲也(虎の門病院肝臓センター), 芥田 憲夫(虎の門病院肝臓センター), 鈴木 文孝(虎の門病院肝臓センター), 鈴木 義之(虎の門病院肝臓センター), 斎藤 聡(虎の門病院肝臓センター), 荒瀬 康司(虎の門病院肝臓センター), 池田 健次(虎の門病院肝臓センター), 熊田 博光(虎の門病院肝臓センター) |
抄録 | 【目的】C型肝疾患は高齢化が著しく,どこまで積極的な抗ウイルス療法を目指すかが課題となる.今回は予後の最も重要な規定因子である肝発癌リスクの層別化について検討した. 【対象と方法】2012年までに当院を受診した60歳以上のC型肝疾患症例のうちIFN治療歴のない1753例を対象とした.内訳は男性43%,年齢の中央値は77(60-95)歳,肝硬変が23%含まれていた.全症例のうち890例をtraining setとして発癌に関するリスク因子を抽出し,この結果を残りの863症例に当てはめcross validation studyを行った. 【結果】training setの5年/10年の発癌率は15.7/32.1%であった.AFPを5以下,6-10,11ng/ml以上の3群に層別化し,FIB-4 indexも3.25以下,3.26-6.50,6.51以上に分け,患者背景,臨床検査値とともに解析した.Coxの比例ハザードモデルによる多変量解析ではAFP,FIB-4 index,アルブミン,多飲酒歴が発癌に関する要因として抽出された.ハザード比を元にリスクindex=AFP(1,3,5)+FIB-4(1,2,3)+アルブミン(1,2)+多飲酒歴(1,3)とした(かっこ内はリスクの有無による加点).リスクindexは4-13点であり,発癌率曲線より,低リスク群:4-5点,中リスク群:6-8点,高リスク群:9-13点に分類可能であった.低・中・高リスク群の分布は36%,29%,35%であり,各群の5年/10年発癌率はそれぞれ4.3/7.1%・11.3/25.1%,33.7/67.3%であった.以上の結果をvalidation setにあてはめると,低リスク群36%,中リスク群30%,高リスク群34%となった.各群の5年/10年発癌率はそれぞれ2.5/7.2%・13.7%/25.4%,37.8/64.6%と,明瞭に層別化することが可能であった. 【まとめ】AFPは近年発癌リスクの指標として注目されており,またFIB-4 indexは年齢による線維化の進展を考慮した指標である.今回はこれらの因子を組み合わせることで,より詳細に発癌リスクを評価することが可能となった. |
索引用語 |