セッション情報 Research Forum5

肝癌の内科・外科治療

タイトル RF5-4:

シスプラチンとミリプラチン併用TACEとシスプラチン単独TACEの比較

演者 濱田 晃市(総合南東北病院消化器内科)
共同演者 斎藤 聡(虎の門病院肝臓科), 西野 徳之(総合南東北病院消化器内科), 十林 賢児(総合南東北病院消化器内科), 今井 茂樹(総合南東北病院放射線科)
抄録 【目的】局所治療非適応の進行肝細胞癌には肝動脈化学塞栓療法(TACE)が選択される.薬剤はシスプラチン(CDDP),ミリプラチン(MPT),エピルビシン等があるが単剤での治療は限界もみられる.今回,徐放性抗癌剤MPTと濃度依存性のCPPDを併用したダブルプラチナTACEを行い,安全性と有効性の初期評価を行った.【対象と方法】実施プロトコールは当院倫理員会で承認され,文書で同意を得た患者を対象.UMIN:000010431.対象は2006年9月~2013年9月に治療した,ダブルプラチナTACE群80例とCDDP-TACE群45例を後ろ向きに比較.ダブルプラチナ懸濁液の作成方法はMPT 60mgにヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル6mlを混濁し,10mg/mlのMPT懸濁液を調製.そこにCDDP 50mgを懸濁し,MPT60mg,CDDP50mgを含む懸濁液6mlを作成.CDDP単独では最高量を65mg/m2とした.TACEは選択的に担癌区域で腫瘍径1cmに対し1ml動注,多孔性ゼラチン粒は血流停滞までか投与上限の80mgを投与し塞栓.安全性は「Common Terminology Criteria for Adverse Events v4.0」,効果判定はmRECIST基準を用い治療2~3か月後の造影CTで評価.統計解析はMann-Whitney U test,χ2乗検定を使用.【結果】成績はダブルプラチナ群とCDDP群それぞれCR32例(40%),16例(35.6%),PR26例(32.5%),8例(17.8%),SD15例(18.8%),11例(24.4%),PD7例(8.7%),10例(22.2%)でRRは有意にダブルプラチナ群で高い(61.6 vs. 53.4;P=0.03).また安全性は臨床上問題となる有害事象は認めず,CDDP群と差はなかった.【考察】MPT懸濁液は粘度が高く,末梢腫瘍血管まで十分量が到達せず抗腫瘍効果が不十分となる可能性がある.ダブルプラチナTACEはCDDPを懸濁することを前提にMPT濃度を通常の半分である10mg/mlとしているため,粘度が低くなり末梢腫瘍血管まで到達可能となり,MPTの徐放的性質とCDDPの濃度依存的性質が合わさり抗腫瘍効果を発揮したと考えた.今後長期成績の検討が必要である.
索引用語