セッション情報 | Research Forum5肝癌の内科・外科治療 |
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タイトル | RF5-6:脈管侵襲を伴う高度進行肝細胞癌に対する当科の治療戦略と今後の展開 |
演者 | 谷 丈二(香川大学医学部消化器・神経内科) |
共同演者 | 前田 瑛美子(香川大学医学部消化器・神経内科), 野村 貴子(香川大学医学部消化器・神経内科), 三好 久昭(香川大学医学部消化器・神経内科), 米山 弘人(香川大学医学部消化器・神経内科), 樋本 尚志(香川大学医学部総合診療部), 守屋 昭男(三豊総合病院), 小川 力(高松赤十字病院), 森下 朝洋(香川大学医学部消化器・神経内科), 高口 浩一(香川県立中央病院), 正木 勉(香川大学医学部消化器・神経内科) |
抄録 | 【目的】脈管浸潤を伴う進行肝細胞癌(HCC)の予後は極めて不良で,当科では2007年より肝内高度進行HCCに対してはNewFPでのリザーバー肝動注療法と脈管浸潤に対して局所放射線治療(RTx)の有効性について報告してきた.今回,NewFPと脈管浸潤に対するRTxの治療効果を再検討し,2009年より行ってきた脈管浸潤を伴う高度進行HCCに対するNewFP+RTxとソラフェニブ(SF)について検討した.【対象・方法】2007年1月より2012年12月の間で当院にてHCC 721例のうち肝内高度進行HCCに対してNewFPを施行した27例とHCCの脈管浸潤に対して局所RTxを施行した25例を対象とし,その奏効率(RR)・奏功因子を検討し,また,2009年より香川大学にて脈管浸潤を伴うHCCに対してNewFP+RTxを行った12例と香川県分子標的研究会で登録された高度脈管浸潤に対してSFにて加療した16例を対象とし,そのRR・予後を検討した.患者背景は両群とも有意差はなかった.【結果】RTxの局所効果はTE4/3/2/1=7/9/7/3でRR:64%で直接治療効果因子は局所放射線量を50Gyに設定(P=0.0259)で肝動注を併用(P=0.0832)が奏功に寄与する傾向にあった.NewFPはm-RECISTでCR/PR/SD/PD=3/9/9/6でRR:44.4%で生存寄与因子は奏功例(P=0.0323)と腫瘍局在が片葉(P=0.0371)で生存中央値(MST)が19.3ヶ月であった.NFP+RTxはCR/PR/SD/PD:1/7/4/0で奏効率:67%,SF群で0/2/5/9でRR:12.5%でNFP+RTxのMST:16.3か月でSFは7.3か月と有意に延長していた(P=0.04).また,NFP+RTxではPR2例で肝切除を行いCRとなった.【結論】脈管浸潤を伴う高度進行HCCの肝内腫瘍にRV-HAIと脈管浸潤に50Gy以上のRTxを用いた集学的治療は奏効率・生存期間共に比較的良好で奏功例では治癒も期待でき,今後の内科的治療戦略に重要な役割を担うと考える. |
索引用語 |