セッション情報 |
Research Forum5
肝癌の内科・外科治療
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タイトル |
RF5-7:進行肝細胞癌に対するアイエーコール肝動注化学療法における早期治療効果予測
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演者 |
畑中 健(伊勢崎市民病院内科) |
共同演者 |
柿崎 暁(群馬大学大学院病態制御内科学), 嶋田 靖(伊勢崎市民病院内科), 滝澤 大地(伊勢崎市民病院内科), 片貝 堅志(片貝クリニック) |
抄録 |
【目的】進行肝細胞癌にはソラフェニブが標準治療とされているが,肝動注化学療法(肝動注)による著効例は散見され,ソラフェニブとの使い分けは必ずしも定まっていない.当院ではこれまでアイエーコール(CDDP)肝動注では,奏効例(CR+PR)は非奏効例(SD+PD)と比較して予後が良好であることを報告した(生存期間中央値30.7ヶ月vs 11.2ヶ月,2013年肝臓学会総会).奏功例を予測し,非奏功例では他の治療法を選択する必要があるが,治療前の因子で奏功を予測する因子は認めなかった.今回,初回CDDP動注前後の腫瘍マーカー(AFPとPIVKA-II)の変化に注目し,早期治療効果予測因子と成り得るか検討した.【方法】2006年1月から2013年3月まで当院でCDDP動注を行なった118例を対象とした.ワーファリン内服症例など腫瘍マーカーを評価できない症例は除外した.投与方法は添付文書通り生理食塩水に溶解し,65mg/m2にて30分かけて動注した.患者背景は,男性/女性は85/31,年齢中央値71(44-88)歳,Child-Pugh class A/B/Cは70/46/0,HBV/HCV/nonBnonCは5/93/18,stage1/2/3/4a/4bは0/12/57/37/10,脈管侵襲は陽性/陰性=45/71であった.【結果】治療効果はCR/PR/SD/PD=5/15/36/50で,奏効率は16.9%,病勢コントロール率は47.5%であった.1年,2年,3年生存率は51.7%,28.2%,18.0%であった.CDDP動注後の1ヶ月後の腫瘍マーカーの値で,低下群,不変群,上昇群の3群に分けた.低下群>不変群>上昇群の順に奏功例が多かった(CR/PR/SD/PD=3/10/12/11,2/4/19/24,0/1/5/25).MSTは低下群/不変群/上昇群=17.2/13.6/7.4ヶ月であり,低下群で生存率は有意(p<0.001)に良好であった.【結論】初回CDDP動注後の腫瘍マーカーの低下は,早期の治療効果予測に有効であった.腫瘍マーカーが低下しない場合は,すみやかにソラフェニブやリザーバー動注に変更すべきと考えた. |
索引用語 |
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