セッション情報 Research Forum5

肝癌の内科・外科治療

タイトル RF5-8:

進行肝細胞癌に対するソラフェニブ治療におけるPD症例の予後

演者 河岡 友和(広島大学病院消化器・代謝内科)
共同演者 相方 浩(広島大学病院消化器・代謝内科), 宮木 大輔(広島大学病院消化器・代謝内科), 菅 宏美(広島大学病院消化器・代謝内科), 藤野 初江(広島大学病院消化器・代謝内科), 苗代 典昭(広島大学病院消化器・代謝内科), 本田 洋士(広島大学病院消化器・代謝内科), 福原 崇之(広島大学病院消化器・代謝内科), 柘植 雅貴(広島大学病院消化器・代謝内科), 平松 憲(広島大学病院消化器・代謝内科), 今村 道雄(広島大学病院消化器・代謝内科), 兵庫 秀幸(広島大学病院消化器・代謝内科), 川上 由育(広島大学病院消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学病院消化器・代謝内科)
抄録 【目的】進行肝細胞癌(肝癌)に対するソラフェニブの治療成績とPD症例における予後因子について解析した.【対象と方法】対象は2009年より2013年3月までに当院においてソラフェニブを投与された進行肝癌110例.平均年齢66歳,男性/女性:94/16,Child A/B 100/10例.Stage II/III/IVa/IVb:7/21/19/63/例.脈管侵襲あり:46例.肝外転移あり:65例.前治療あり:86例.後治療あり:39例.前治療の内訳は,TACE/HAIC/S1 sys chemo:33/26/27.後治療はTACE39例であった.ソラフェニブの開始量は全例800mgであった.【結果】治療開始から2-3ヶ月後のCT判定における奏功はRECISTではCR/PR/SD/PD/NE:1/2/53/37/17,mRECISTではCR/PR/SD/PD/NE:2/6/48/37/17.全体での奏功率(RR)/病勢制御率(DCR)は,RECIST 2%/50%,mRECIST 7%/50%.MST 10ヶ月,TTP 4ヶ月.PD 37例のMSTは6.7ヶ月.観察期間中央値6ヶ月.PD症例における治療前予後因子として,多変量解析では肝内T因子T1-3(HR 2.2,P=0.034)が抽出された.治療後因子として後治療の有無を含めた解析では,肝内T因子T1-3(HR 2.4,P=0.028),後治療あり(HR 5.8,P=0.001)が抽出された.【結語】ソラフェニブ治療において,PD症例の予後はMST 6.7ヶ月であった.PD症例における治療前予後因子としては肝内T因子T1-3であった.治療後因子を含めると,肝内T因子T1-3,後治療ありが独立因子であった.初期効果判定がPDであっても肝内T因子がT1-3の症例においては,後治療としてTACEを追加する意義があると考えられた.
索引用語