セッション情報 Research Forum6

総胆管結石治療の最前線

タイトル RF6-7:

当科におけるESTによる総胆管結石の内視鏡治療成績

演者 高岡 亮(関西医科大学内科学第三講座)
共同演者 池浦 司(関西医科大学内科学第三講座), 島谷 昌明(関西医科大学内科学第三講座), 住本 貴美(関西医科大学内科学第三講座), 光山 俊行(関西医科大学内科学第三講座), 加藤 孝太(関西医科大学内科学第三講座), 楠田 武生(関西医科大学内科学第三講座), 三好 秀明(関西医科大学内科学第三講座), 岡崎 和一(関西医科大学内科学第三講座)
抄録 【目的】当科ではESTを第一選択とした総胆管結石の内視鏡治療を行っている.高齢者総胆管結石症に対する当科の治療成績と方針を報告する.【方法】対象は2006年1月~2013年9月に総胆管結石症でERCP,内視鏡治療を行った後期高齢者315例と超後期高齢者105例計420例.結石サイズ,個数,乳頭処置,截石術,処置回数,完全截石率等について検討した.【結果】後期高齢者315例中総胆管結石は270例で認められた.結石サイズは-9mm;139例,10-14mm;80例,15-19mm;36例,20mm-;15例.結石数は1個;113例,2-4個;107例,5-9個;24例,10個-;26例.ESTは247例(プレカット9例)に施行し既往23例であった.初回截石術は,EML,ELによる一期的截石を116例,EML,ELでの截石+ENBDまたはEBS(チューブ)を101例,EBSのみを53例に施行.処置回数は1回166例,2回60例,3回16例,4回以上28例で完全截石223例,不完全截石47例であった.重篤な偶発症を5例(出血,十二指腸穿孔,出血+誤嚥性肺炎)認めた.超後期高齢者105例中100例で結石が認められた.結石サイズは-9mm;31例,10-14mm;39例,15-19mm;14例,20mm-;12例.結石数は1個;46例,2-4個;30例,5-9個;12例,10個-;12例.ESTは91例(プレカット9例)に施行し既往9例であった.初回截石術は,EML,ELによる一期的截石を23例,EML,ELでの截石+ENBDまたはEBSを56例,EBSのみを21例に施行.処置回数は1回55例,2回22例,3回11例,4回以上12例で,完全截石73例,不完全截石27例であった.重篤な偶発症は5例(出血,十二指腸穿孔,誤嚥性肺炎)認めた.超後期高齢者は後期高齢者に比べ,結石が大きくプレカット率が高く一期的截石率は下がりENBD,EBS併用例が多かった.当科では重篤な合併症を経験後,一期的完全截石にこだわらないENBD,EBS(細径チューブ)を併用した二期的截石も行っている.【結論】高齢者総胆管結石のESTによる内視鏡治療は有用で比較的安全に施行できるが,合併症を加味した治療方針が重要である.
索引用語