セッション情報 | Research Forum6総胆管結石治療の最前線 |
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タイトル | RF6-8:手術困難な高齢者総胆管結石合併胆嚢炎に対する治療戦略~経乳頭的胆嚢ステント(ETGBS)長期留置の有用性 |
演者 | 井上 匡央(岐阜県立多治見病院消化器内科) |
共同演者 | 奥村 文浩(岐阜県立多治見病院消化器内科), 鈴木 雄太(岐阜県立多治見病院消化器内科), 市川 紘(岐阜県立多治見病院消化器内科), 福定 繁紀(岐阜県立多治見病院消化器内科), 加地 謙太(岐阜県立多治見病院消化器内科), 安部 快紀(岐阜県立多治見病院消化器内科), 岩崎 弘靖(岐阜県立多治見病院消化器内科), 西江 裕忠(岐阜県立多治見病院消化器内科), 水島 隆史(岐阜県立多治見病院消化器内科), 佐野 仁(岐阜県立多治見病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】再発を繰り返す手術不能総胆管結石合併胆嚢炎に対する,再発予防を目的としたETGBSの有用性を検討する.【方法】対象は2012年4月から2013年3月までに当院にて手術不能総胆管結石合併胆嚢炎に対してETGBSを試みた高齢者20例(男性12例,女性8例),平均年齢78.1歳(65~88歳,前期6例,後期9例,超高齢者5例).平均観察期間は203.1日(21~410日).胆嚢炎の原因は全例胆石性であり,総胆管結石は大結石や複数結石などの場合は截石していない.検討項目はETGBSの手技成功率,偶発症,長期経過とした.また当初はダブルピッグステントを使用していたが,胆管炎や脱落などのステントトラブルを経験した.このため食残の影響を受けにくい様に乳頭側をストレートとし,加えて胆管内も直接ドレナージできる様に乳頭側まで側孔を多数開けた自作ステントを使用しており,その有用性も評価した.【結果】全例基礎疾患を有し,手術不能理由は脳血管障害等の後遺症14例,慢性呼吸不全4例,切除不能悪性疾患合併2例であった.手技成功率は80%(16/20),不成功理由は胆嚢管分岐形態2例,結石嵌頓1例,炎症高度波及1例であった.不成功4例ともPTGBDに移行し,その後ランデブー法にてETGBSが可能であった.偶発症は1例も認めなかった.留置ステントはダブルピッグステントが9例,自作ステントが7例であった.観察期間中胆嚢炎の再発はみられなかったが,ダブルピッグステントで胆管炎,自然脱落を各々5%(1/20)認めた.自作ステントでは今のところ再発,ステントトラブルは経験していない.20%(4/20)が平均137.5日後に死亡したが全例が他病死であり,再発,ステントトラブルは死亡時まで認めなかった.【結論】ETGBSは胆摘困難な高齢者の胆嚢炎再発予防に有効な可能性がある.また自作ステントはステントトラブルの軽減に有用であった.今後多数例での検討が必要である. |
索引用語 |