セッション情報 |
Research Forum6
総胆管結石治療の最前線
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タイトル |
RF6-10:Roux-en-Y再建例におけるショートシングルバルーン内視鏡を用いた経乳頭的な胆道疾患の治療成績
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演者 |
枡 かおり(仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科) |
共同演者 |
伊藤 啓(仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科), 藤田 直孝(仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】当院におけるRoux-en-Y(R-Y)再建例の胆道疾患におけるバルーン内視鏡を用いたERCPの治療成績について検討すること.【対象および方法】2005.10月から2013.9月までにERCPを行ったR-Y再建の胆道疾患36例(総胆管結石症28例,悪性胆道狭窄8例(膵癌1例,胆管癌1例,胃癌リンパ節転移6例))を対象とした.使用スコープはシングルバルーン内視鏡SIF-Q260(以下,SBE.有効長200cm,鉗子口径2.8mm,オリンパス)を11例,ダブルバルーン内視鏡EN-450BI(以下,DBE.有効長152cm,鉗子口径2.8mm,フジノン)を8例,試作のシングルバルーン内視鏡short SIF(以下,short SBE.有効長152cm,鉗子口径3.2mm,オリンパス)を17例に用いた.検討項目は,1)乳頭到達率,2)乳頭到達例における胆管挿管率,3)処置完遂率,4)早期偶発症である.なお,胆管結石例では完全截石,悪性胆道狭窄例では胆管ステント留置を処置完遂と定義した.【結果】1)乳頭到達率は81%(29/36)で,スコープ別では,SBE 64%(7/11),DBE 75%(6/8),short SBE 94%(16/17)であった.2)胆管挿管率は86%(25/29)で,スコープ別では,SBE 71%(5/7),DBE 100%(6/6),short SBE 88%(14/16)であった.3)処置完遂率は96%(24/25)で,平均治療回数は1.7±1.7回,平均処置時間は91±31分であった.スコープ別では,SBE 80%(4/5), 2.8±2.5回,83±18分,DBE 100%(6/6),2.0±2.2回,98±28分,short SBE 100%(14/14),1.2±0.7回,90±36分であった.4)早期偶発症は,11%(4/36)(軽症膵炎1例,胆管炎2例,誤嚥性肺炎1例)みられたが,いずれも保存的加療で改善した.【結語】R-Y再建例の胆道疾患におけるバルーン内視鏡によるERCPは治療効果が高いが,処置時間が長く,処置完遂まで複数回の検査を要することが多かった.short SBEは,他スコープに比較して,乳頭到達率が高く,より少ない治療回数で処置完遂が得られる可能性が示唆された. |
索引用語 |
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