セッション情報 Research Forum7

胃腫瘍診療の最前線

タイトル RF7-5:

胃MALTリンパ腫増大機序における幹細胞とHGF,c-Metの関連

演者 中村 正彦(北里大学薬学部臨床薬学研究・教育センター病態解析学)
共同演者 芹沢 宏(北里研究所病院内科), 土本 寛二(北里研究所病院内科)
抄録 胃における間葉系腫瘍のなかで最も頻度の高いMALTリンパ腫においては,白血病とは異なり幹細胞の関与は不明でり,Helicobacter pyloriおよび遺伝子転座などの関与が注目されているが,近年リンパ腫の形成に幹細胞の関与を示す報告が散見されるようになってきた.われわれは,カニクイザル由来のH. heilmannii感染C57BL/6マウスに低悪性度MALTリンパ腫モデルを作成し,幹細胞に関する免疫組織化学的検討を行なった.その結果,胃MALTリンパ腫形成早期にはいずれのマーカーも認められなかったが,6ヶ月以降にCD44,CD133活性陽性細胞がリンパ腫の周辺部に出現し,DCAMKL-1免疫活性陽性細胞がリンパ腫全体に分布することを報告した.また最近,肝細胞増殖因子のチロシンキナーゼ受容体であるc-METが悪性B細胞の生存,増殖,転移における重要な因子の一つとして注目されている.そこで,胃MALTリンパ腫における幹細胞マーカーとc-Met,HGFの関係およびc-Met抗体およびc-Met拮抗剤PHA665752投与効果を検討した.その結果,胃MALTリンパ腫においては,c-Met免疫活性はリンパ腫細胞,特に幹細胞マーカー陽性細胞,HGF免疫活性は毛細血管内皮細胞,HGFA免疫活性はその他の間葉系細胞に認められた.同様の所見は,MALTリンパ腫症例の検討でも認められた.c-Met抗体,c-Met拮抗剤投与により,マウス胃MALTリンパ腫が有意の縮小した.この結果から,c-Metを介して幹細胞による胃リンパ腫形成が抑制されることが示唆された.
索引用語