セッション情報 | 口演大腸・画像 |
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タイトル | O-003:defecographyから算出したfecoflowgramの有用性について |
演者 | 河原 秀次郎(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科) |
共同演者 | 渡辺 一裕(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科), 共田 光裕(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科), 榎本 浩也(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科), 菅野 宏(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科), 秋葉 直志(東京慈恵会医科大学附属柏病院外科), 小村 伸朗(東京慈恵会医科大学外科学講座), 矢永 勝彦(東京慈恵会医科大学外科学講座) |
抄録 | 【緒言】これまでわれわれは直腸癌術後排便障害の程度を評価する目的でdefecographyを行ってきた.defecographyで用いている疑似便(バリウム便)は粘性があるため,1秒毎の排便量をメスシリンダーなどの計測器では適切に測定できず,排便量の時間的変化を客観的に評価することができなかった.そこでわれわれはdefecographyの1秒毎の静止画の面積変化から排便量を計測してfecoflowgramを作成し,排便機能評価を試みた.【対象および方法】最近2年間に行った直腸癌に対するIntersphincteric resection(ISR)症例で一時的な小腸人工肛門を造設した4例を対象とし,人工肛門閉鎖2週間後に検査を行った.疑似便(バリウム便)を50ml経肛門的に直腸内に注入し,排便中のX線透視動画を記録してパソコンに保存した.動画編集ソフト(premiere pro)を用いて排便開始後1分間における1秒毎の静止画を作成し,静止画編集ソフト(illustrator)を用いて直腸内の疑似便の面積を計測して1秒毎の排便量を算出し,ヒストグラフ(fecoflowgram)を作成した.【成績】対象症例はblock type 2例,segment type 1例,flat type 1例に分類できた.block typeでは直腸が仙骨前面にゆったりと位置しており,腹圧による排便が可能で,毎日排便がみられる症例であった.segment typeとflat typeでは直腸が仙骨の岬角から肛門に直線的に位置しており,排便に腹圧があまり有効ではないと考えられ,また2から3日に1回しか排便がみられず緩下剤が必要な症例であった.とくにflat typeでは腹圧による排便が全くみられない症例であった.【考察】defecographyの動画から容易にfecoflowgramが作成できた.defecographyとfecoflowgramによって術後排便障害の程度が適切に評価できるため,2つの検査の排便指導における有用性が示唆された. |
索引用語 |