セッション情報 |
口演
食道癌,内科的治療
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タイトル |
O-012:病変部位別にみた食道ESD術後狭窄についての検討
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演者 |
竹村 健一(石川県立中央病院消化器内科) |
共同演者 |
山田 真也(石川県立中央病院消化器内科), 土山 寿志(石川県立中央病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】食道ESDは標準治療として広く普及したが,偶発症としての術後狭窄が課題である.自覚症状の乏しい表在型食道癌であるが,術後狭窄により治療後のQOLが損なわれるケースもしばしば経験する.剥離面の周在が大きくなるにつれ術後狭窄のリスクが高くなり,その予防におけるステロイドの有用性は一定のコンセンサスが得られているが,術後狭窄におけるその他のリスク因子については報告が少ない.食道には生理的狭窄部や屈曲が存在し,部位により術後狭窄のリスクに違いがある可能性を考慮し,今回は病変部位別における術後狭窄頻度を検討する.【方法】当院で経験した術後狭窄のうち,最も剥離面の周在が小さなものは1/2周性であることを考慮し,2013年8月までに食道ESDを施行した248病変中,剥離面の周在が1/2周以上となった133病変を対象とし,部位別に術後狭窄の頻度を検討した.術後狭窄の定義としては,嚥下時のつかえまたは10mm径のscope通過が困難にてバルーン拡張を要したものとし,予防的バルーン拡張は除外した.また剥離面の周在が全周となった病変については狭窄のリスクが高い特殊例と考え,本検討からは除外した.【結果】部位別の狭窄頻度はCe~Ut領域75.0%,Mt領域29.9%,Lt領域33.3%,Ae領域42.9%で,統計学的有意差は認めないもののCe~Ut領域に多い傾向を認めた(p=0.09).【結論】術後狭窄のリスク因子として,病変がCe~Ut領域の場合に狭窄リスクが高い傾向が示唆された.狭窄予防のためには,より病変が小さな状態での早期発見が必要であるが,食道入口部~頚部食道は生理的な狭窄及び蛇行のために観察が難しく他部位と比較し病変の見落としが起こりやすいと考えられる.食道入口部~頚部食道の観察の工夫として,先端フードの使用やNBI,拡大内視鏡の併用,scope抜去時にも慎重に観察するといった工夫が必要である.当日は食道入口部~頚部食道観察の注意点を動画にて供覧する. |
索引用語 |
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