セッション情報 口演

食道癌,内科的治療

タイトル O-013:

プラチナ系薬剤抵抗性の切除不能・再発食道癌に対するドセタキセルとbest supportive careの後方視的比較検討

演者 森脇 俊和(筑波大学消化器内科)
共同演者 梶原 猛史(四国がんセンター消化器内科), 松本 俊彦(四国がんセンター消化器内科), 俣野 大介(筑波大学消化器内科), 佐藤 雅志(筑波大学消化器内科), 岩井 健太郎(筑波大学消化器内科), 遠藤 壮登(筑波大学消化器内科), 寺崎 正彦(筑波大学消化器内科), 陶 経緯(筑波大学消化器内科), 圷 大輔(筑波大学消化器内科), 遠藤 慎治(筑波大学消化器内科), 鈴木 英雄(筑波大学消化器内科), 金子 剛(筑波大学消化器内科), 奈良坂 俊明(筑波大学消化器内科), 溝上 裕士(筑波大学消化器内科), 仁科 智裕(四国がんセンター消化器内科), 兵頭 一之介(筑波大学消化器内科)
抄録 【目的】プラチナ系薬剤抵抗性の切除不能・再発食道癌に対するドセタキセルの延命効果ついて評価すること【方法】ドセタキセルによる治療が行われた症例と同時期にbest supportive care(BSC)のみ行われた症例を後方視的に調査した.主な選択基準はPS 2以下,主要臓器障害なし,タキサン系薬剤の未治療例などとした.主要評価項目はプラチナ系薬剤が無効と判断した日からの生存期間(postprogression survival;PPS)とし,様々な固形癌で有用とされている予後因子であるGlasgow prognostic score(GPS,アルブミンとCRPの組み合わせで0,1,2に分類したスコア,0が最も良好)を含めた患者背景因子について単変量解析を行い,P<0.05の因子を用いた多変量解析を行った.【成績】2007年1月から2011年12月までの118例が集積され,そのうち適格例はドセタキセルが60例,BSCが45例であった.PPS中央値はそれぞれドセタキセル群5.6ヶ月(95%CI,4.8-6.4),BSC群3.3ヶ月(95%CI,2.5-4.0)で,ハザード比(HR)は0.48(95%CI,0.31-0.73;P=0.001)であった.単変量解析で有意な因子は治療,PS,GPS,転移臓器個数,肝転移の有無,骨転移の有無であり,それらの因子で多変量解析を行った結果,独立した因子は,ドセタキセル(HR,0.53;95%CI,0.33-0.84;P=0.007),GPS良好(HR,0.63;95%CI,0.48-0.84;P=0.002),骨転移あり(HR,2.40;95%CI,1.00-5.72;P=0.049)であった.【結論】プラチナ系薬剤抵抗性の切除不能・再発食道癌に対するドセタキセル治療はBSCに対してPPSを延長させることが示唆された.
索引用語