セッション情報 | 口演食道癌,内科的治療 |
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タイトル | O-014:食道表在癌における遺伝因子,環境因子の検討 |
演者 | 卜部 祐司(広島大学病院内視鏡診療科) |
共同演者 | 実綿 倫宏(広島大学病院消化器・代謝内科), 影本 賢一(広島大学病院消化器・代謝内科), 岡 志郎(広島大学病院内視鏡診療科), 日山 亨(広島大学保健管理センター), 越智 秀典(広島大学病院消化器・代謝内科), 田中 信治(広島大学病院内視鏡診療科), 茶山 一彰(広島大学病院消化器・代謝内科) |
抄録 | [背景]食道扁平上皮癌の発症要因は遺伝要因としてADH1BとALDH2,環境要因として飲酒,喫煙が指摘されている.また近年,single nucleotide polymorphism(SNP)を用いた全ゲノム網羅的な研究にてALDH2(rs671),ADH1B(rs1229984)上のSNPと日本人の食道扁平上皮癌の発症の強い関連が報告されている.しかし,表在癌とこれらSNPとの関連を検討した報告は少ない.[目的]ADH1B,ALDH2上のSNPと食道表在癌との関連を検討し,環境要因を加えた食道表在癌発症の危険因子を明らかにする.[対象と方法]2013年1月から2013年9月までに当科で経験した食道表在癌44例(男性41例,女性3例,平均年齢65歳)を対象とした.対照群は健常人1125人を用い,ALDH2,ADH1B上のSNPと食道表在癌との関連を傾向検定,優性検定,劣性検定,超優性検定にて解析した.環境要因は飲酒歴,喫煙歴の有無を調査した.なおこの研究は広島大学病院ヒトゲノム倫理委員会の承認(ヒ-90)を得ている.[結果]傾向検定の結果,rs671(A)はP=8.61×10-4,OR=2.02(1.30-3.14),rs1229984(G)はP=1.35×10-3,OR=2.05(1.31-3.20)と食道表在癌に強い関連を認めた.各検定の結果,rs671は超優性検定にて,rs1229984は劣性検定にて最も低いP値が得られた.また飲酒歴を93%(41/44),喫煙歴を90%(40/44)に認めた.喫煙・飲酒歴ともに認めなかった例は1例のみであった.[まとめ]ALDH2,ADH1B上のSNPは食道表在癌の発症に関連を認めた.飲酒,喫煙歴は食道表在癌例にほぼ認められた.今後,環境因子と遺伝因子を組み合わせによる食道癌の発症リスクの構築が必要になると考えられる. |
索引用語 |