セッション情報 口演

総胆管結石治療1

タイトル O-022:

当院における高齢者総胆管結石治療の現況

演者 白幡 名香雄(山形県立中央病院内科)
共同演者 佐藤 英之(山形県立中央病院内科), 高橋 邦之(高橋胃腸科内科医院), 小野里 祐介(山形県立中央病院内科), 今 孝志(山形県立中央病院内科), 原 倫代(山形県立中央病院内科), 川越 圭(山形県立中央病院内科), 藤嶋 昌一郎(山形県立中央病院内科), 鈴木 克典(山形県立中央病院内科), 武田 弘明(山形県立中央病院内科), 深瀬 和利(山形県立中央病院内科)
抄録 当院での高齢者胆管結石治療の現況を報告する.【方法】ミダゾラム,ペンタゾシンでの鎮静と内視鏡治療用の拘束具を使用し,生体監視モニターで心拍数,血圧,SpO2,呼吸数を監視している.2010年1月から2013年8月までに治療を受けた65歳以上の総胆管結石患者191名を前期高齢者群(以下A群;51名),後期高齢者群(以下B群;97名),超高齢者群(以下C群;43名)にわけ,結石数,最大結石径,胆管結石既往歴,抗血栓薬服用,治療回数,截石率,ドレナージ,EPLBD併用,急性膵炎,出血,穿孔,処置を中断,中止するような事例の発症について検討した.【結果】結石数はA群3.1個,B群2.9個,C群4.9個でC群に多い傾向があった.結石径は9.7mm,9.6mm,12.2mmでC群が大きかった.胆管結石既往歴は9.8%,16.5%,27.9%とより高齢者で多かった.抗血栓薬服用者は7.8%,25.8%,11.6%でB群に多く,緊急時の初回治療はドレナージのみであった.治療回数は各群とも平均1.8回で差はなかった.完全截石率は88.2%,82.5%,51.2%とC群で少なく,ドレナージは5.9%,8.3%,44.2%とC群で多かった.截石とドレナージを合わせると94.1%,90.7%,95.4%と各群で90%を超えた.EPLBD併用は17.6%,10.3%,18.6%と差はなく,偶発症を認めなかった.死亡に至った偶発症はなく,急性膵炎は4.5%,1.2%,1.3%でいずれも軽症,出血,穿孔はA群,B群にそれぞれ1例ずつ見られた.処置を中断,中止した事例は2.2%,2.3%,3.8%であった.【考察】超高齢者では,截石率が低くドレナージの者が多かったが,結石数が多く結石径も大きいこと,複数回の治療を希望されなかったためであった.しかし,偶発症の発症率は前期・後期高齢者群と比べても差はなく,また,EPLBDも安全に施行されていた.【結論】以上より超高齢者でも截石率が向上させるのは可能と思われる.ただし,処置を中断,中止するような偶発症の対策が必要である.
索引用語