セッション情報 口演

総胆管結石治療1

タイトル O-023:

高齢者総胆管結石症に対する経乳頭的内視鏡治療の有効性と安全性

演者 米島 淳(富山県立中央病院消化器内科)
共同演者 織田 典明(富山県立中央病院消化器内科), 須田 烈史(富山県立中央病院消化器内科), 原 泰将(富山県立中央病院消化器内科), 在原 文教(富山県立中央病院消化器内科), 堀田 洋介(富山県立中央病院消化器内科), 松田 耕一郎(富山県立中央病院消化器内科), 松田 充(富山県立中央病院消化器内科), 酒井 明人(富山県立中央病院消化器内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的】高齢者総胆管結石に対する経乳頭的内視鏡治療の有用性と安全性について検討した.【方法】2002年1月~2013年9月の期間で総胆管結石例311症例を64歳以下の非高齢者群(以下A),65-74歳以下の前期高齢者群(以下B),75-84歳以下の後期高齢者群(以下C),85歳以上の超高齢者群(以下D)に分けると,A 70例,B 94例,C 94例,D 53例であった.乳頭処置に関しては,内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)を第一選択とし,憩室内乳頭,一部の胃切除後症例など,EST困難例に対しては内視鏡的乳頭拡張術(EPBD)を選択している.一方,2010年より積み上げ結石や単発巨大結石症例36例に対し大口径バルーンを用いた処置が施行されている.検討項目は,1.結石径,結石数,2採石率,3.合併症(膵炎,出血,穿孔など),4.再発率とした.【結果】平均結石径(mm)・結石数(個)は,A 8.4・1.9,B 8.9・2.6,C 10.7・2.3,D 11.9・3.1であり,高齢であるにつれ結石径が大きく,個数も増える傾向が認められた.大口径バルーンを用いた処置を実施する以前の内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(ERBD)のみが実施されていた例も含め,採石率はA 68/70例(97%),B 87/94例(93%),C 86/94例(91%),D 47/53例(90%)であり,いずれにおいても高率に採石可能であった.ERCP合併症である膵炎・出血・穿孔はA 膵炎2例(2.9%),B 膵炎3例,穿孔1例(4.3%),C 出血2例,穿孔2例(4.3%),D 膵炎1例,出血1例,穿孔1例(5.6%)であったがいずれも保存的治療で軽快していた.治療後再発例はA 5/70例(7.1%),B 6/94例(6.4%),C 6/94例(6.4%),D 1/53例(1.9%)であった.【結論】高齢者総胆管結石例は術後合併症の出現に十分な注意が必要ではあるものの,非高齢者総胆管結石例と同様に内視鏡治療を十分安全に施行可能であると思われた.
索引用語