セッション情報 | 口演総胆管結石治療2 |
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タイトル | O-024:高齢者総胆管結石治療の現状について |
演者 | 和唐 正樹(香川県立中央病院消化器内科) |
共同演者 | 稲葉 知己(香川県立中央病院消化器内科), 榊原 一郎(香川県立中央病院消化器内科), 水川 翔(香川県立中央病院消化器内科), 河井 裕介(香川県立中央病院消化器内科), 泉川 孝一(香川県立中央病院消化器内科), 石川 茂直(香川県立中央病院消化器内科), 三好 正嗣(香川県立中央病院消化器内科), 河合 公三(香川県立中央病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年,社会の高齢化に伴い,高齢者の総胆管結石症例は増加している.そのため,高齢者に対して内視鏡的治療を行う機会が増加している.今回,当院における高齢者総胆管結石治療の現状について検討した.【対象・方法】2002年1月から2012年12月の間,当院にて内視鏡的治療を行った総胆管結石症例は716例.治療はESTでの切石を基本とするも,状況に応じてPSでも対応している.716例を非高齢者群(65歳未満)156例,前期高齢者群(65-74歳)189例,後期高齢者群(75-84歳)250例,超高齢者群(85歳以上)121例の4群に分け,抗血栓薬の内服状況,処置回数,結石個数,結石径,処置成績,偶発症,胆嚢結石合併率,胆摘移行率,入院期間について比較検討した.【成績】抗血栓薬の内服状況,処置回数,結石個数,結石径,処置成功率は非高齢者群(10.8%,1.1回,1.7個,7.4mm,96.8%),前期高齢者群(23.5%,1.3回,2.2個,9.8mm,95.2%),後期高齢者群(27.6%,1.3回,2.3個,11.3mm,95.6%),超高齢者群(25.8%,1.2回,2.6個,11.9mm,97.5%).抗血栓薬内服率と処置回数は非高齢者群で少なく(p=0.0109,p=0.0041),高齢であるほど結石個数は多く(p=0.0001),径は大きく(p<0.0001),処置の成功率と偶発症には差を認めなかった.胆嚢結石合併例には可能であれば胆摘を勧めているが,胆嚢結石合併率と胆摘移行率は非高齢者群(62.2%,54.5%),前期高齢者群(50.8%,33.9%),後期高齢者群(42.4%,25.3%),超高齢者群(44.6%,5.4%)であり,高齢者ほど状態等から胆嚢結石合併でも胆摘に移行しない症例が多かった.入院期間は非高齢者群13.0日,前期高齢者群16.9日,後期高齢者群16.6日,超高齢者群17.7日と非高齢者群で短かった(p=0.0055).【結論】高齢者群で結石個数及び結石径は大きく,多いが,成績及び処置回数,偶発症に差を認めず,高齢者でも内視鏡的治療は比較的安全で有用である,しかし,抗血栓薬の内服率が多いためか,高齢者群で入院期間は長くなる. |
索引用語 |