セッション情報 口演

総胆管結石治療2

タイトル O-027:

超高齢者の内視鏡的総胆管結石治療―切石かチューブステントか

演者 三浦 雄輝(横浜南共済病院消化器内科)
共同演者 佐々木 典子(横浜南共済病院消化器内科), 平尾 茉里名(横浜南共済病院消化器内科), 小宮山 哲史(横浜南共済病院消化器内科), 川西 彩(横浜南共済病院消化器内科), 山田 博昭(横浜南共済病院消化器内科), 西郡 修平(横浜南共済病院消化器内科), 寺田 昌弘(横浜南共済病院消化器内科), 浜中 潤(横浜南共済病院消化器内科), 小谷 祥仁(横浜南共済病院消化器内科), 洲崎 文男(横浜南共済病院消化器内科), 岡崎 博(横浜南共済病院消化器内科)
抄録 【目的】総胆管結石の治療は内視鏡的切石が標準だが,超高齢者に対しては最小限の侵襲という意味でチューブステント留置のみとする選択肢もありうる.当院における超高齢者例と若年者例で両者の治療成績を比較し,経済的負担についても検討したので報告する.【方法】当院で結石治療を受け,1年以上経過観察した85歳以上の超高齢者66例と64歳以下の若年者82例を対象とし,患者背景,結石・胆管因子,治療方針・成績,初回入院と再入院について検討した.【結果】超高齢群(平均88.3歳)と若年群(54.6歳)を比較すると,結石径は平均10.1,6.6mm,胆管径は13.6,10.6mmと,超高齢群で大きかった(p<0.05).治療方針は超高齢群でステント留置62%,切石38%,若年群でそれぞれ4%,96%であった.超高齢ステント群と超高齢切石群,若年切石群を比較すると,結石径は平均16.5,8.2,6.2 mm,胆管径は13.8,11.9,10.3 mmと超高齢ステント群で大きかった(p<0.05).初回入院期間はそれぞれ12.4,18.1,14.5日,初回入院費用は71200,95000,132000点と超高齢ステント群で低負担であった(p<0.05).累計再入院回数は超高齢ステント群0.7回,超高齢切石群0.3回,若年切石群0.1回で,超高齢ステント群では胆管炎再発やステント交換による短期間での再入院が多かった.総計すると入院日数はそれぞれ平均22.9,20.8,16.0日,入院費用は128000,111000,141000点と3群の差は消失した(ns).【結論】超高齢者の総胆管結石治療としてステント留置は切石に比べ再入院が多いものの費用面では同等であり,結石径が大きい場合は十分選択肢と成りうると考えられる.
索引用語