セッション情報 口演

総胆管結石内視鏡治療

タイトル O-029:

超高齢地域における高齢者の総胆管結石に対する内視鏡的治療の検討

演者 土肥 統(京都府立医科大学附属北部医療センター消化器内科)
共同演者 福居 顕文(京都府立医科大学附属北部医療センター消化器内科), 玄 泰行(京都府立医科大学附属北部医療センター消化器内科), 城 正泰(京都府立医科大学附属北部医療センター消化器内科), 時田 和彦(京都府立医科大学附属北部医療センター消化器内科), 八木 信明(京都府立医科大学消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医科大学消化器内科), 伊藤 義人(京都府立医科大学消化器内科)
抄録 【背景】当院は高齢化率30%以上の超高齢地域である京丹後地域の中核病院で,高齢者の総胆管結石症例を数多く経験する.【目的】当院での高齢者総胆管結石に対する内視鏡的治療の現状と妥当性について検討する.【対象と方法】2009年4月から2012年3月までに総胆管結石,総胆管結石性胆管炎および胆石性膵炎と診断し,ERCPを施行した65歳以上の154例315件(男性77例,女性77例)を対象とした.65歳以上75歳未満を前期高齢群,75歳以上85歳未満を後期高齢群,85歳以上を超高齢群として比較検討した.基本的に胆管炎非合併例では一期的採石術,中等症以上の胆管炎合併例では緊急胆管ドレナージを行い,二期的に採石術を行った.【結果】前期高齢群/後期高齢群/超高齢群は31/67/56例(59/145/111件),男女比は22:9/35:32/20:36例であり超高齢群で有意に女性が多かった(P<0.05).それぞれ,胆管炎合併率22.0/25.5/47.8%,胆管炎重症度(軽症:中等症:重症)5:7:1/16:17:6/9:18:11例,平均処置時間39.1/39.1/36.3分,胆管挿管成功率96.6/96.5/96.4%,採石完遂率100/95.5/92.8%,一期的採石術施行率18.6/28.3/18.9%,採石せずEBD留置でフォローした症例は0/3.5/6.3%で,胆管炎合併率は有意に超高齢群に多く(P<0.05),重症度も有意に高い結果(P<0.05)であったが,治療成績に有意差は認めなかった.偶発症は術後膵炎3.4/0.7/1.8%,胆管炎死亡率3.2/0/0%で有意差を認めなかった.他病死0/14.9/12.5%で後期高齢者・超高齢者に有意に多かった(P<0.05).【結論】当院では前期高齢者よりも後期高齢者や超高齢者の割合が多かった.超高齢者は胆管炎合併率が高かったものの,緊急ドレナージにより胆管炎による死亡は認めなかった.また超高齢者であっても前期・後期高齢者と同様に安全かつ比較的短時間で採石が可能であった.
索引用語