セッション情報 口演

総胆管結石内視鏡治療

タイトル O-030:

超高齢者総胆管結石症に対する内視鏡治療の検討

演者 井田 智則(大森赤十字病院消化器内科)
共同演者 諸橋 大樹(大森赤十字病院消化器内科), 後藤 亨(大森赤十字病院消化器内科), 須藤 琢馬(大森赤十字病院消化器内科), 河野 直哉(大森赤十字病院消化器内科), 芦苅 圭一(大森赤十字病院消化器内科), 関 志帆子(大森赤十字病院消化器内科), 鶴田 晋介(大森赤十字病院消化器内科), 高橋 昭裕(大森赤十字病院消化器内科), 千葉 秀幸(大森赤十字病院消化器内科)
抄録 【目的】近年の高齢化社会に伴い,市中病院における超高齢者の総胆管結石症例は増加傾向にある.しかし全身状態や併存疾患により内視鏡治療を躊躇してしまうこともある.今回我々は超高齢者総胆管結石症に対する内視鏡治療の安全性と問題点を明らかにする.【対象と方法】2010年5月から2013年8月に当科にて総胆管結石症に対し内視鏡治療を施行した240例を対象とし,85歳以上の超高齢者群と85歳未満の対照群に分け,背景,治療成績および偶発症について比較検討した.治療成績は胆管挿管率,胆管挿管に要した時間,内視鏡処置時間,完全結石除去率について比較検討した.【結果】超高齢者群は91例(男女比37:54,平均年齢90.1±0.9歳),対照群は149例(男女比96:53,平均年齢72.1±0.7歳)であった.背景では認知症等の精神疾患併存例,抗血栓薬内服例,乳頭処置の既往例が超高齢者群に有意に多かった.また結石数は両群において差がなかったが,結石径に関しては超高齢者群で有意に大きかった(超高齢者群12.6±0.8mm vs.対照群6.8±0.6mm,p<0.001).治療成績は胆管挿管率,胆管挿管に要した時間,処置時間に両群で差はなかったが,完全結石除去率は超高齢者群で有意に低かった(超高齢者群44.0% vs.対照群69.1%,p<0.001).偶発症に関しては両群に有意差は認められなかった.【結論】超高齢者における総胆管結石症の内視鏡治療は比較的安全に施行できたが,結石径が大きい傾向があり一期的な完全結石除去が困難なことがあった.
索引用語