セッション情報 口演

総胆管結石内視鏡治療

タイトル O-032:

当院における高齢者総胆管結石の臨床的特徴と内視鏡的截石術の適応の検討

演者 鈴木 博貴(豊橋市民病院消化器内科)
共同演者 松原 浩(豊橋市民病院消化器内科), 浦野 文博(豊橋市民病院消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院消化器内科), 山田 雅弘(豊橋市民病院消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院消化器内科), 竹山 友章(豊橋市民病院消化器内科), 田中 卓(豊橋市民病院消化器内科), 廣瀬 崇(豊橋市民病院消化器内科), 芳川 昌功(豊橋市民病院消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院消化器内科)
抄録 【背景】高齢化に伴い総胆管結石の罹患率は増加しているが,年齢によりどのような治療を選択するかの明確な指針はない.【目的】当院における総胆管結石の臨床的特徴と再発率,偶発症を明らかとし,高齢者に対する内視鏡的截石術の適応について検討すること.【対象】2011年4月から2013年9月までに総胆管結石症に対して内視鏡的治療を施行した265例のうち,内視鏡的截石術を施行し,胆泥・passed stoneが疑われた症例を除く176例.【方法】全総胆管結石について,1.既往歴(透析,糖尿病の有無),2.ADL,3.抗血小板・抗凝固剤内服の有無,4.総胆管結石の既往,5.胆摘の既往,6.総胆管径,7.総胆管結石の数,8.最大結石径の臨床的特徴と9.乳頭処置の方法,10.截石後2年以内の再発,11.ERCP偶発症について検討し,さらに年齢別に64歳以下(A群44例),65~74歳(B群42例),75~84歳(C群57例),85歳以上(D群33例)に分けて比較した.【結果】平均年齢:73.0±14.9(18~100)歳.男性105例,女性71例.1.糖尿病26例,透析患者7例.2.自立137例,介助38例,寝たきり1例.3.抗血小板剤内服:21例,抗凝固剤内服:8例.4.無140例.5.有150例,無26例.6.10.6±5.1mm.7.2.3±2.3個.8.6.8±4.7mmであった.9.EST 121例,EPBD 23例,EPLBD 6例10.17例.11.ERCP後膵炎22例,ERCP後高アミラーゼ血症6例で,重篤なものはなかった.A~D各群間で,5,6,8,9で統計学的有意差を認めた(p<0.05).さらに,有意差の出た4項目に対して多変量解析を行うと,5,6で有意差を認めた(p<0.05).【結語】当院での総胆管結石において年齢によって統計学的有意差を認めたのは,胆摘の既往,総胆管径の臨床的特徴のみであった.内視鏡的截石術において,再発や偶発症に差は認められなかった.85歳以上の超高齢者に対しても,年齢に関わらず積極的に截石術を行うべきであると考えられた.
索引用語