セッション情報 | 口演IBD 1 |
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タイトル | O-034:血中インフリキシマブ濃度測定法の検討 |
演者 | 高橋 憲一郎(滋賀医科大学大学院消化器免疫) |
共同演者 | 今枝 広丞(滋賀医科大学消化器内科), 藤本 剛英(滋賀医科大学大学院消化器免疫), 浅田 歩美(滋賀医科大学大学院消化器免疫), 神田 暁博(滋賀医科大学大学院消化器免疫), 日高 健太郎(滋賀医科大学大学院消化器免疫), 馬場 重樹(滋賀医科大学消化器内科), 辻川 知之(滋賀医科大学総合内科学講座), 佐々木 雅也(滋賀医科大学消化器内科), 藤山 佳秀(滋賀医科大学消化器内科), 安藤 朗(滋賀医科大学大学院消化器免疫) |
抄録 | 【背景】抗TNF-α製剤の登場により,炎症性腸疾患の治療は大きく進歩した.我々は以前より,血中抗TNF-α製剤濃度と中和抗体濃度の測定が治療戦略を考える上で有用であることを報告してきたが,従来の測定系では非特異的な反応により正確にインフリキシマブ濃度を測定できないことを経験することがある.そこで,今回新たな血中インフリキシマブ濃度測定法について検討した.【方法】当院にてインフリキシマブ維持投与中のクローン病患者35例と健常人ボランティア(インフリキシマブ未投与)25例を対象とした.従来用いているELISA法とブロッキングレスタイプのELISAプレートを用いた新規方法で血中インフリキシマブ濃度の測定を行い,両者を比較検討した.【結果】従来のELISA法では健常人の40%(10/25)で固相化well・非固相化well共に同程度の感度以上の発色が見られ,非特異的な反応と考えられた.一方,ブロッキングレスタイプのELISAプレートを用いた方法では健常人で発色が見られたのは0%(0/25)であった.クローン病患者の血中インフリキシマブ濃度を両者で測定したところ,非特異的な反応が実際の濃度測定に影響を与えていると考えられる症例が,従来法で14.3%(5/35)あったのに対してブロッキングレスタイプのELISAプレートを用いた方法では2.9%(1/35)であった.従来法と比較してブロッキングレスタイプのELISAプレートを用いた方法で得られた結果は低い値を示す傾向が見られた.【結論】ブロッキングレスタイプのELISAプレートを用いた方法では,ELISAプレートのwellに対する非特異的な反応を抑制することができた.特に血中インフリキシマブ濃度の低い患者では非特異的な反応により測定結果を信頼出来ないことがあるが,ブロッキングレスタイプのELISAプレートを用いた方法では安定して正確な血中濃度を測定することができ,治療戦略上有用である. |
索引用語 |