セッション情報 | 口演IBD 1 |
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タイトル | O-035:難治性クローン病患者の寛解維持における生物学的製剤の効果に対する栄養療法の相加効果について |
演者 | 山田 哲弘(東邦大学医療センター佐倉病院内科) |
共同演者 | 岩下 裕明(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 佐々木 大樹(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 勝俣 雅夫(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 宮村 美幸(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 平山 圭穂(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 新井 典岳(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 菊地 秀昌(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 岩佐 亮太(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 古川 竜一(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 曽野 浩治(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 長村 愛作(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 中村 健太郎(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 青木 博(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 吉松 安嗣(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 津田 裕紀子(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 竹内 健(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 高田 伸夫(東邦大学医療センター佐倉病院内科), 鈴木 康夫(東邦大学医療センター佐倉病院内科) |
抄録 | 【目的】クローン病患者数は年々増加しており,治療において生物学的製剤や成分栄養剤を中心とする経腸栄養療法等が用いられ一定の効果を上げている.生物学的製剤と栄養療法を併用することで寛解期間が延長することは各種の後ろ向き検討で示唆されているが,今回われわれはインフリキシマブ(IFX)増量を要する難治性クローン病患者において栄養療法との相加効果を前向きに検討したので報告する.【方法】2011年9月から2012年8月まで当院にてIFX倍量投与(5mg/kg→10mg/kg)を行った難治性クローン病患者27例(男性22例,女性5例,平均年齢32.6歳)を対象とし,1日平均600kcalの経口栄養療法(エレンタール?)を併用した群14例(併用群)と併用しなかった群13例(非併用群)におけるIFX倍量投与前CDAIおよびCRP,IFX倍量投与6か月後IFX血中トラフ濃度,1年後のCRP,1年後のステロイドフリー寛解維持率および累積非手術率を前向きに検討した.【成績】IFX倍量投与開始前のCDAIは併用群で132.6,非併用群で148.7,CRPはそれぞれ1.08±1.08mg/dl,1.13±0.64mg/dlで差はなかった.IFX倍量開始6か月後IFXトラフ濃度平均は併用群で11.6μg/ml,と非併用群6.63μg/ml(p=0.27)に比しやや高値であったほか,IFX倍量開始1年後のCRPにて併用群で0.58±0.63mg/dl,非併用群の1.51±1.90mg/dlに比べやや低い傾向にあった(p=0.13).1年後の寛解維持率は併用群46.1%,非併用群35.7%であり(p=0.58),累積非手術率は84.6%と71.4%であり(p=0.40)有意差は認めなかった.【結論】IFX倍量投与を要する難治性クローン病においては栄養療法併用は寛解維持効果や手術回避に与える影響は限局的だが,IFX血中濃度上昇やCRP低下に影響を与える可能性が示唆された. |
索引用語 |