セッション情報 |
口演
IBD 2
|
タイトル |
O-042:クローン病の臨床バイオマーカーとして血中アミロイドAの意義
|
演者 |
齋藤 恵介(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科) |
共同演者 |
内山 幹(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科), 伊藤 善翔(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科), 小田原 俊一(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科), 小井戸 薫雄(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科), 大草 敏史(東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【目的】近年生物学的製剤の登場によりクローン病は臨床的寛解を達成できるようになった一方で2次無効例も存在することから,治療中の適切なモニタリング方法が求められている.クローン病のモニタリングにはCRPが一般的であるが,SAA(血中アミロイドA)が炎症に対しさらに鋭敏な血中マーカーとして有用との報告がある.そこで我々はクローン病においてアダリムマブを使用した患者22例に対し,CRPとSAAの臨床状態との比較検討を行った.【方法】2010年12月~2012年10月に当院でアダリムマブ投与が開始された22例を対象に,アダリムマブ投与による寛解率及びアダリムマブ投与0,4,12,24週後におけるCDAIとCRP及びSAAの相関について検討を行った.【結果】対象とした22例のクローン病患者の内訳は男性19例,女性3例,アダリムマブ投与開始時の平均年齢は31.3歳,バイオナイーブ患者14/22例(64%),アザチオプリン併用は3/22例(14%)であった.アダリムマブ平均投与期間は655日(341~1019日)で,そのうち2次無効による脱落は1例(4.5%)であった.アダリムマブ投与前(平均CDAI=186)に比べて,アダリムマブ投与4週後には臨床的寛解を達成し(平均CDAI=82,p<0.001),52週後においても寛解を継続した(平均CDAI=74,p<0.001).SAAとCDAIには正の相関が認められ(y=0.54x-3.8,r=0.44),CRPとCDAIには相関は認められなかった(y=0.001x+0.4,r=0.04).【結論】アダリムマブ投与により早期の寛解導入効果並びに長期にわたる良好な寛解維持効果が認められた.また,SAAはCRPに比べてより臨床症状と相関する血中マーカーとなる可能性が示唆された. |
索引用語 |
|