セッション情報 口演

カプセル内視鏡

タイトル O-044:

PPC(PilcamR Patency Capsule)の消化管開通性判定とCEの排出確認不能症例における低線量CTの有用性

演者 藤田 朋紀(小樽掖済会病院消化器病センター)
共同演者 小松 悠弥(小樽掖済会病院消化器病センター), 北岡 慶介(小樽掖済会病院消化器病センター), 和賀 永里子(小樽掖済会病院消化器病センター), 高梨 訓博(小樽掖済会病院消化器病センター), 勝木 伸一(小樽掖済会病院消化器病センター)
抄録 【背景・目的】2012年7月よりPPC(PilcamR Patency Capsule)が保険収載となりCEの保険適応が広がった.しかし,33時間以内にPPCが排出されなかった症例の大腸到達の判定は,腹部レントゲンでは確実性に欠ける.一方,CTは,レントゲン検査(1.2mSv)に比べ,被曝(7.6~15mSv)が懸念される.当院では2012年12月より低線量CT(以下LR-CT)で消化管開通性判定を行っており,その有用性を報告する.【LR-CT撮像方法】LR-CTを施行し,腸管壁描出性と被曝量を検討した.線量の算出は標準的なEUR 16262の基準に従い,CT撮影後に得られたDLP値に腹部撮影時の係数0.015を掛けて計算した.【対象】2012年12月から2013年8月までにPPCを投与した21症例中,33時間以内にPPCが排出されなかった4症例とCE後に排出を確認できなかった7症例の計11症例.【成績】(1)健常ボランティアでの検討では,線量0.24mSv以下では,直腸壁の描出が著しく不明瞭になることが判明した.(2)33時間以内にPPCが排出されなかった4症例中2症例は,腹部レントゲンの結果,PPCが骨盤内に存在し,直腸か回腸かの判定が困難であった.LR-CT(0.387・2.1mSv)を行った結果,各々直腸・回腸である事が確認された.その後の2症例は腹部レントゲンとCTの位置確認目的の撮影を省略.LR-CT(0.666・0.7305mSv:平均0.698mSv)単独での判定を行い,直腸である事が確認された.(3)CE後に排出が確認できずLR-CT(0.573~0.927mSv:平均0.821mSv)を施行した7症例は,CEが排出または直腸に存在している事が確認された.(4)PPCの消化管開通性判定においてLR-CT単独での判定を行った2症例とCE後に体外排出が確認できずLR-CTでの判定を行った7症例の,合わせて9症例のLR-CTでの被爆量は0.573~0.927mSv(平均0.793 mSv)と腹部レントゲン以下の被爆線量であった.【結論】LR-CTはcapsuleの位置確認に優れ,放射線被爆の観点からも優れた評価法であると思われる.
索引用語