セッション情報 | 口演カプセル内視鏡 |
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タイトル | O-048:カプセル内視鏡でみる腸管Beh?et病の小腸病変 |
演者 | 有本 純(横浜市立大学附属病院消化器内科学講座) |
共同演者 | 遠藤 宏樹(横浜市立大学附属病院消化器内科学講座), 日暮 琢磨(横浜市立大学附属病院消化器内科学講座), 古出 智子(横浜市立大学附属病院消化器内科学講座), 野中 敬(横浜市立大学附属病院消化器内科学講座), 高橋 宏和(横浜市立大学附属病院消化器内科学講座), 芝田 渉(横浜市立大学附属病院消化器内科学講座), 前田 愼(横浜市立大学附属病院消化器内科学講座), 岳野 光洋(横浜市立大学附属病院リウマチ・血液・感染症内科学講座), 石ヶ坪 良明(横浜市立大学附属病院リウマチ・血液・感染症内科学講座), 中島 淳(横浜市立大学附属病院消化器内科学講座) |
抄録 | 【目的】Beh?et病は原因不明の全身性炎症性疾患であり,消化管病変が臨床像の中心である場合を腸管Beh?et病(腸管BD)という.腸管BDでは回盲部を中心とした非特異性潰瘍が発生することが知られているが,その他の小腸病変も少なくない事が分かってきている.近年,カプセル内視鏡(CE)の登場により小腸の観察をより簡便で低侵襲に行うことが可能となった.そこで,腸管BDの小腸病変についてCEを用いて検討した.【方法】当院で腸管BDまたはその疑いと判断された患者13名に対してCEを施行した.腸管BDの診断及び病型分類には厚生労働省研究班によるベーチェット病の診断基準を用いた.完全型が1例,不全型が9例,疑いが3例であった.平均発症年齢は40.9(27~65)歳で,性別は男性3例,女性10例,平均罹患期間は11.8(1~42)年であった.これらの症例に対して上下部消化管内視鏡検査とCEを施行し,腸管病変について検討した.病変の存在部位は食道,胃,小腸,回盲部,結腸,直腸に分類した.また,CE所見はアフタ様潰瘍,円形ないし不整形開放性潰瘍,定型病変に合致する下掘れ潰瘍に分類した.【結果】下部消化管内視鏡検査では,13例中8例で回盲部の定型病変が認められ,5例で結腸・直腸病変が認められた.5例の所見はアフタ様潰瘍(3例),潰瘍(2例)であった.小腸病変は11例に認められ,その所見は,多発潰瘍(2例),アフタ様潰瘍(9例)であった.13例全例で小腸病変ないし結腸・直腸病変が見られた.小腸病変と結腸・直腸病変の両者が見られたのは9例で,他の4例ではいずれか一方のみ確認された.【結論】腸管BDの小腸病変は,その大腸病変と同様に多彩な所見を呈する事が明らかとなった.腸管BDの小腸病変評価のためにCEが有用である可能性が示唆される結果であった.今後,CEが腸管BDの診断に使用されることが期待される. |
索引用語 |