セッション情報 口演

門脈圧亢進症1

タイトル O-049:

食道静脈瘤における内視鏡的静脈瘤硬化療法の穿刺回数と血栓効果との関連

演者 高橋 正憲(さいたま赤十字病院消化器内科)
共同演者 大津 威一郎(さいたま赤十字病院消化器内科), 土井 浩達(さいたま赤十字病院消化器内科), 鎮西 亮(さいたま赤十字病院消化器内科), 熊谷 純一郎(さいたま赤十字病院消化器内科), 塩屋 雄史(さいたま赤十字病院消化器内科), 大島 忠(さいたま赤十字病院消化器内科), 笹島 圭太(さいたま赤十字病院消化器内科), 甲嶋 洋平(さいたま赤十字病院消化器内科)
抄録 【目的】内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)は食道静脈瘤(EV)に対する有効な治療法であるが,複数回の穿刺に伴う入院期間の長期化が問題となる.今回当院でのEISの成績を明らかにし,穿刺回数と治療効果,背景因子との関連について考察した.【方法】EV合併肝硬変29例(予防12,待機17)を対象とし,全例治療前に超音波内視鏡(EUS,細径プローブ,20MHz)を施行した.EISの際には,内視鏡装着バルーン(6cm)の形状調整および十分な送気(30-35mL)を行うことでEVの十分な圧迫閉塞を行い,22/23G針にて穿刺を行った.なお本検討では有効なEIS(硬化剤が供血路まで流入かつ5分以上停滞)が一度得られた時点で同日の治療を終了とした.血栓効果はEUS(1週間後)で評価し,1回の穿刺で全EVが血栓化した場合を単回群,2回以上の治療を要した場合を非単回群として判定した.【成績】穿刺困難の3例(F0-1待機例,EV径<1.5mm)を除く26例にEISが行われ,16例(61.5%)が単回群,10例(38.5%)が非単回群と判定された.血栓効果と背景因子との関連では,非単回群は単回群に比しF因子が大きく(p=0.0367),硬化剤注入量が高値であった(p=0.0314).またEUS所見において,単回群は全例で噴門部周囲の供血路に連続性を認めたのに対し,非単回群では6/10例で主たる供血路とは連続しない孤立した供血路が観察された(p=0.0016).この3項目で多変量解析を行うと,供血路の連続性のみが血栓効果に関連する有意な因子として示された(p=0.0027,95%CI0-0.226).また供血路の連続性が認められた20例の検討では,単回群の13/16例が硬化剤注入時に血管外漏出なく穿刺針の血管内保持が可能であったのに対し,非単回群では全例が注入途中に血管外漏出を認めた(p=0.0072).【結論】食道静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤硬化療法においては,静脈瘤と供血路との位置関係の把握および穿刺針の安定した血管内保持が静脈瘤の血栓効果を左右するものと考えられた.
索引用語