セッション情報 |
口演
肝臓 基礎
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タイトル |
O-060:Cathelicidin誘導を介した脂肪酸のToll-like receptors発現誘導に関する検討
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演者 |
澤田 康司(旭川医科大学臨床消化器・肝臓学診療連携講座) |
共同演者 |
大竹 孝明(旭川医科大学臨床消化器・肝臓学診療連携講座), 中嶋 駿介(旭川医科大学消化器・血液腫瘍制御内科), 阿部 真美(旭川医科大学消化器・血液腫瘍制御内科), 藤谷 幹浩(旭川医科大学消化器・血液腫瘍制御内科), 高後 裕(旭川医科大学消化器・血液腫瘍制御内科) |
抄録 |
【目的】我々は高脂肪食負荷NAFLDモデルマウスにおいて肝組織Toll-like receptors(TLRs)の発現亢進が病態形成に関与し,その発現亢進はパルミチン酸(PA)によってもたらされることを報告してきたが,その発現亢進の詳細なメカニズムは明らかではない.一方,皮膚科領域において抗菌ペプチドであるcathelicidinがTLRsの発現誘導を介してインターフェロンの発現を亢進させることが報告されている(Morizane S, J Invest Dermatol 2012)が,NAFLD肝組織におけるcathelicidinの発現については不明である.今回,高脂肪食負荷マウスとin vitroモデルにおいてTLRsとcathelicidinの発現について検討した.【方法】8週齢雄性C57BL/6マウスに高脂肪食を16週間投与し,NAFLDモデルを作成した.16週時の肝組織TLRs,cathelicidin(CRAMP)の発現を定量的real time PCR法で検討した.また,in vitroマクロファージモデルとして分化誘導したTHP-1へPAを添加し同様の検討を行った.【結果】NAFLDモデルマウスの肝組織像は炎症,線維化を伴わないが脂肪滴蓄積の著明な脂肪肝像で,本肝組織ではTLRsの発現亢進とともに通常食群の5倍のCRAMP発現亢進を認め(p<0.01),PA負荷THP-1ではLL37(human cathelicidin)の発現亢進を認めた.【結論】マウスNAFLDにおいてはcathelicidinの発現は亢進していた.また,脂肪酸によってcathelicidinの発現が亢進することから,NAFLDのTLRs発現誘導のメカニズムのひとつにcathelicidin誘導を介したものがあると考えられる. |
索引用語 |
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