セッション情報 | 口演肝臓 基礎 |
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タイトル | O-061:肝特異的microRNA-29aノックアウトマウスを用いた肝線維化の基礎的検討 |
演者 | 小暮 高之(東北大学消化器病態学) |
共同演者 | 近藤 泰輝(東北大学消化器病態学), 二宮 匡史(東北大学消化器病態学), 中込 悠(東北大学消化器病態学), 木村 修(東北大学消化器病態学), 岩田 朋晃(東北大学消化器病態学), 諸沢 樹(東北大学消化器病態学), 藤坂 泰之(東北大学消化器病態学), 岩崎 隆雄(東北大学消化器病態学), 下瀬川 徹(東北大学消化器病態学) |
抄録 | 【背景】近年,肝疾患におけるmicroRNA制御の異常が数多く報告され,mircorRNA-29(miR-29)の肝癌・肝線維化における関与が報告されている.miR-29の標的は複数報告されているが,肝細胞における関与の報告は少ない.今回我々は,肝特異的なmiR-29ノックアウトマウスを作成し,慢性肝障害におけるmiR-29の役割を解析したので報告する. 【方法】Cre-loxPシステムを用いて肝特異的にmiR-29aを欠損するマウスを作製した.C57BL6マウスにおいて,miR-29ab1コード領域の上流と下流にloxP配列を挿入したマウスとアルブミンプロモーター下にCreを発現するマウスを掛け合わせた.miR-29aノックアウトマウスに四塩化炭素(CCl4)を投与することにより慢性肝障害を誘導し,肝線維化の程度・マウスの生存率を検討した.マイクロアレイを用いてmiR-29aノックアウトマウスの肝における遺伝子発現変化を網羅的に解析した. 【結果】マッソントリクロム染色により肝組織の線維化を定量的に検討すると,CCl4投与により誘導されたmiR-29aノックアウトマウスおける肝線維化は,コントロールマウスと比較して35.3%増加していた.CCl4投与によるマウスの死亡率はコントロールマウスに比較してノックアウトマウスで高く,ノックアウトマウスの慢性肝障害に対する感受性が高いことが示唆された.網羅的な遺伝子発現解析の結果,ノックアウトマウスの肝組織における遺伝子群のうち,線維化に関与する遺伝子群の有意な変動がオントロジー解析により明らかとなった. 【結論】慢性肝障害の過程において肝におけるmiR-29の関与が示唆された.慢性肝疾患における肝線維化においてmiR-29が治療ターゲットとなりうる可能性が示唆された. |
索引用語 |