セッション情報 口演

GERD2

タイトル O-070:

GERDと睡眠障害との関連

演者 久多良 徳彦(岩手医科大学内科学講座消化器内科消化管分野)
共同演者 千葉 俊美(岩手医科大学内科学講座消化器内科消化管分野), 松本 主之(岩手医科大学内科学講座消化器内科消化管分野)
抄録 【目的】胃食道逆流症(GERD)は様々な生活習慣との関連が提唱されている.GERDと睡眠障害との関連を明らかにすることを目的にした.【方法】2012年11月~2013年9月までの間に岩手医科大学の関連病院である八戸赤十字病院の人間ドックを受診した211例(男性134例,女性77例,平均年齢54.1歳)を対象とした.GERDの評価は,GERDQ問診票を用いて行いGERD症状の有無に分けて検討した.GERDの診断はGERDQ問診票のみを用いて行い,上部内視鏡検査にてLA分類Grade A以上の有所見例は除外した.睡眠障害は,ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)を用いて行い,PSQIスコア5.5点以上を睡眠障害ありと診断し,眠剤内服例や精神疾患例は除外した.以上の問診票を用いてGERDと睡眠障害との関連について検討を行い,GERDと睡眠障害に影響を与える因子として性別,年齢,BMI,喫煙,飲酒,高血圧,脂質異常症,降圧剤内服の有無との関連について検討を行った.【結果】GERD有症状例は人間ドック受診者の14.7%(31/211)に認められ,睡眠障害は21.3%(45/211)に認められた.GERD無症状例の睡眠障害合併は18.3%(33/180)であるのに対してGERD有症状例では61.3%(19/31)に睡眠障害合併が認められた.GERD症状に影響を与える有意な生活習慣の因子は認められなかったが,睡眠障害に影響を与える因子としては,GERD症状が有意な因子であった(p=0.0105).PSQI平均値の比較では,GERD無症状例に比較してGERD有症状例において有意に高値であった(p=0.012).また,GERDQスコアとPSQIスコアの相関は認められなかったが,重回帰分析においてGERD症状が関係する睡眠障害の項目として日中覚醒困難との関連が強いと考えられた(p=0.0065).【結語】GERD症状は睡眠障害に最も影響を与える因子であり,日中覚醒困難すなわち日中に眠気を感じ日中の活動に障害をきたす因子と考えられた.
索引用語