セッション情報 口演

GERD2

タイトル O-071:

睡眠障害を認め,夜間胸やけを有する患者に対するラメルテオンの効果に関するPilot Study

演者 竹之内 菜菜(日本医科大学消化器内科学)
共同演者 岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 星野 慎太朗(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 川見 典之(日本医科大学消化器内科学), 佐野 弘仁(日本医科大学消化器内科学), 梅澤 まり子(日本医科大学消化器内科学), 田中 由理子(日本医科大学消化器内科学), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学)
抄録 【目的】夜間逆流の多くは睡眠中の覚醒状態または浅い睡眠時に発生する一過性LES弛緩に伴い発生する(通常深い睡眠時には一過性LES弛緩は抑制).睡眠障害を有する患者では浅い睡眠状態が多いこと,また睡眠障害による食道知覚過敏が存在することが報告されている.新規不眠改善薬であるラメルテオン(メラトニン受容体アゴニスト)は深い睡眠を有する正常なパターンに戻し,不眠を改善する薬剤である.すなわち,深い睡眠を有する睡眠が一過性LES弛緩を抑制する可能性,食道知覚過敏を改善させる可能性が考えられる.今回PPI常用量内服も夜間胸やけおよび睡眠障害を有する患者に対して,ラメルテオン8mgを内服させ,睡眠障害,胸やけに及ぼす効果を検討した.【方法】対象は就寝前3時間に食事摂取がなく,PPI常用量内服も夜間胸やけおよび睡眠障害(ピッツバーグ睡眠質問票5.5以上)を有する8人である.就寝前1時間にラメルテオン8mgを内服させ,ラメルテオンの睡眠障害,胸やけに及ぼす効果を検討した.睡眠障害の効果判定はピッツバーグ睡眠質問票改(眠剤使用の項目を除く),GERD症状はF-スケールを使用し,内服前後(1-2か月後)に評価を行った.【成績】ピッツバーグ睡眠質問票改は内服前(10.5)から内服後(7.1)に有意に改善した.またFスケールも内服前(19.6)から内服後(12.5)に有意に完全した.ラメルテオン有効例の定義を,「睡眠の質」の項目が改善し「かなり良い」以上,「入眠時間」の項目も改善し「16-31分未満」以上となり,睡眠効率85%以上(正常)となった場合とすると,8例中4例が有効であり,4例中2例では夜間の胸やけが消失(1例は日中の胸やけも消失)した.残りの2例も日中,夜間とも胸やけが改善した.【結論】ラメルテオン内服により,睡眠障害が改善する症例では,逆流症状を改善させる可能性がある.
索引用語