セッション情報 |
口演
H.pylori感染症1
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タイトル |
O-079:健常成人における血清ペプシノーゲン濃度についての検討
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演者 |
速水 史郎(弘前大学消化器内科) |
共同演者 |
下山 克(弘前大学消化器内科), 珍田 大輔(弘前大学消化器内科), 福田 眞作(弘前大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】血清ペプシノーゲン(PG)濃度は胃がんリスク分類に用いられており,胃炎の指標としても期待されている.PG濃度による胃粘膜萎縮の判定基準は,H. pylori感染率が高い世代が基になっており,H. pylori感染率が低くなり,除菌される者が増えた場合に現行の基準が適切かどうかの検討が必要である.若い世代の非感染者,除菌から長期間経た場合の除菌成功者についても検討が少ない.【方法】2012年5月に行われた20才以上の弘前市岩木地区の健診受診者639名を対象とした.便中H. pylori抗原(テストメイトEIA),血清抗H. pylori抗体(Eプレート)とPG I,II濃度を測定した.便中抗原陽性または血清抗体価30 U/mL以上の場合に感染者,便中抗原陰性かつ抗体価3 U/mL以下の場合に未感染者とした.問診により除菌治療歴を確認し,2年以上前に除菌され,便中抗原と血清抗体が陰性の者を除菌成功者とした.PPI内服者,胃切除歴のある者は検討から除外し,世代別に感染者,未感染者,除菌成功者の間でPG I,II濃度とI/II比を比較検討した.【成績】PG I濃度は,未感染者では40歳未満の42.3 ng/mLから70歳以上の58.0 ng/mLまで年齢とともに増加したが,感染者では20代から60代までは,58.8~61.9 ng/mLと未感染者よりも高値であったものの70代では50.6 ng/mLと有意に低下し,未感染者よりも低かった.PG II濃度も同様の傾向であったが,感染者の70代での低下は有意でなかった.PG I/II比は感染者,未感染者ともに年齢とともに低下し,どの世代でも未感染者が有意に低かった.除菌成功者では,どの年代でもPG I,II濃度とI/II比はいずれも未感染者よりも低い傾向にあり,60代以降のPGI濃度は有意に低かった.【結論】PG I,II濃度はH. pylori感染とその除菌により大きく影響された.胃炎の指標としてPG濃度の正常値を設定する場合は,感染者だけでなく除菌成功者も除く必要がある.また,50歳未満の未感染者の大部分においてPGI濃度が70 ng/mL未満であり,萎縮性胃炎の判定において注意が必要である. |
索引用語 |
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