セッション情報 | 口演H.pylori感染症1 |
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タイトル | O-083:感受性試験とesomeplazoleと除菌日誌を用いたHelicobacter pylori除菌療法の工夫 |
演者 | 西林 宏之(市立川西病院消化器内科) |
共同演者 | 堅田 龍生(市立川西病院消化器内科), 亀山 竹春(市立川西病院消化器内科), 北田 学利(市立川西病院消化器内科), 藤原 晃(社保神戸中央病院消化器内科), 婦木 秀一(社保神戸中央病院消化器内科), 山名 順子(社保神戸中央病院消化器内科), 宮川 徹(社保神戸中央病院消化器内科), 田中 裕(市立川西病院消化器内科), 姫野 誠一(市立川西病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】Helicobacter pylori(以下Hp)胃炎の除菌治療が保険適応となり除菌希望者が増加しているが,一次除菌率低下が問題になっている.そこで我々は安定した制酸効果のあるesomeplazole(以下EPZ)を用い,感受性試験の結果で除菌レジメの変更を行い,さらに服薬アドヒアランスを高める目的で除菌日誌を用いその効果を検討した.【方法】平成23年9月から25年3月までに内視鏡時にHp培養しCAM,AMPC,MNZの感受性試験を施行した118例を対象とし,除菌時に除菌日誌を渡した日誌群70例(男47例女23例平均59.4±11.1歳)と渡さなかった日誌無群48例(男27例女21例平均年齢63.4±11.3歳)の2郡に分けた.除菌はCAM感受性例はEPZ,CAM,AMPC(以下ECA)を,耐性例の場合,最初からEPZ,MNZ,AMPC(以下EMA)を1週間投与した.UBT又はRUTでHp感染が確認でき標準治療であるECAを投与した25例(男19例女6例平均64±11.5歳)を対照群とした.除菌判定は投薬終了後6-8週の間にUBTで判定し,3群の除菌率を比較検討した.【結果】118例の感受性試験の結果でAMPCに1.7%(2/118),CAMに36.4%(42/118),MNZに2.5%(3/118)の耐性菌を認めた.3群の除菌率は日誌群94.3%(66/70)日誌無群87.5%(42/48)対照群64%(16/25)であった.χ2検定で日誌群,日誌無群の間に有意差は認めなかったが日誌群の方が除菌率が高かった.日誌群,日誌無群ともに感受性試験をしていない対照群に比し有意差をもって除菌率が高かった.サブ解析では日誌群ECA投与群93.8%(45/48)EMA投与群95.5%(21/22),日誌無群ECA投与群82.1%(23/28)EMA投与群95%(19/20)であった.日誌群の方が服薬アドヒアランスが高いと仮定するとCAMが服薬アドヒアランスの影響を受ける可能性が高いことが示唆された.【結論】感受性試験を用いるだけでなく,さらに日誌など用いて服薬アドヒアランスを高めることが除菌率upにつながると考えられた. |
索引用語 |