セッション情報 口演

臨床病態

タイトル O-091:

消化器内科外来における骨粗鬆症のリスクファクターの検討

演者 浅岡 大介(順天堂大学消化器内科)
共同演者 永原 章仁(順天堂大学消化器内科), 長田 太郎(順天堂大学消化器内科), 北條 麻理子(順天堂大学消化器内科), 渡辺 純夫(順天堂大学消化器内科)
抄録 【目的】近年,高齢化社会を背景に我が国でも骨粗鬆症による骨折・要介護が深刻な問題となっている.消化器においても,プロトンポンプ阻害剤使用やH.pylori感染と骨粗鬆症との関連が欧米で指摘されている.今回,消化器内科外来における骨粗鬆症のリスクファクターについて検討することを目的とする.【方法】2008年3月から2013年8月に当科横断研究にて,患者背景(年齢・性・BMI・Brinkman Index・積算飲酒量),H.pylori感染の有無,プロトンポンプ阻害剤(PPI)使用の有無,上部内視鏡所見(逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニア・胃十二指腸潰瘍),腰椎骨塩定量(DEXA)の全てを調査できた50歳以上の男女を対象とした.ステロイド・Bishophonate製剤使用歴(+)の患者,胃切後・甲状腺疾患や,癌患者は対象から除外した.我が国の診断基準により,骨粗鬆症は腰椎DEXAにおいてYAM(%)が70%未満と定義した.骨粗鬆症(+)群と骨粗鬆症(-)群に分け,各因子との関連を単変量及び多変量解析(SPSS)で検討した.【結果】対象患者は157例.骨粗鬆症(+)24例,骨粗鬆症(-)138例であった.骨粗鬆症(+)群:骨粗鬆症(-)群で,平均年齢71.1±7.5:61.7±8.9歳(p<0.01),男性/女性 3/21:72/66(p<0.01),BMI 20.8±2.9:23.2±3.1(p<0.01),Brinkman Index 50±169:262±447(p<0.05),積算飲酒量43±83:215±410kg(p<0.05).逆流性食道炎25.0%:42.0%(n.s.),食道裂孔ヘルニア33.3%:20.3%(n.s.),胃十二指腸潰瘍12.5%:9.4%(n.s.).H.pylori感染(+)62.5%:37.7%(p<0.05).PPI使用(+)33.3%:24.6%(n.s.)であった.多変量解析では,年齢(Odds比1.13(95%CI 1.06-1.20)),女性(Odds比4.71(95%CI 1.35-16.44)),BMI(Odds比0.78(95%CI 0.65-0.94)),H.pylori感染(Odds 3.06(95%CI 1.03-9.08))で有意にリスクであった.【結論】骨粗鬆症のリスクファクターは,高齢・女性・低BMI・H.pylori感染と考えられた.
索引用語