セッション情報 | 口演UC(潰瘍性大腸炎)基礎 |
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タイトル | O-094:新規麦芽乳酸菌(Lactobacillus brevis SBC8803)死菌による腸内細菌叢の変化と抗炎症作用に関する検討 |
演者 | 上野 伸展(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野) |
共同演者 | 藤谷 幹浩(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野), 坂谷 慧(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野), 田中 一之(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野), 堂腰 達矢(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野), 安藤 勝祥(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野), 嘉島 伸(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野), 稲場 勇平(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野), 伊藤 貴博(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野), 盛一 健太郎(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野), 高後 裕(旭川医科大学内科学講座消化器血液腫瘍制御内科学分野) |
抄録 | 【目的】腸内細菌叢は腸内環境のホメオスタシス維持に寄与し,炎症性腸疾患などの消化器疾患の病態に関連している.我々はプロバイオティクスの一種である新規麦芽乳酸菌Lactobacillus brevis SBC8803(SB88)死菌および菌由来活性物質であるポリリン酸が腸管上皮細胞にHeat shock proteinsを発現誘導すること,マウス実験的腸炎において炎症性サイトカインを抑制することを解明してきた.しかし経口投与による腸内細菌叢への影響については未だ不明である.そこで本研究はSB88死菌がマウス腸内細菌叢を変化させるか,また抗炎症作用の発現と腸内細菌叢変化の関連性について解明することを目的とした.【方法】マウス標準的飼料であるAIN76AにSB88死菌を一定の濃度で混ぜ合わせた餌を作成し検討に用いた.(1)腸内細菌叢変化についてはAIN76A群とSB88群について一定期間混餌投与を行い,各群のマウスから便を採取しバクテリアDNAを抽出,16s-rRNA領域をPCRにより増幅しT-RFLP法を用いて比較検討した.(2)AIN76A群とSB88群について一定期間の混餌投与後にDSS誘発性腸炎を作成し比較検討した.【結果】(1)PCA解析によりAIN76A diet群に比較しSB88 diet長期投与群では明らかに異なる配置を示し腸内細菌叢の変化が示唆された.(2)SB88 diet群では有意に体重減少,腸管短縮が抑制され,病理学的スコアが改善した.免疫染色でタイトジャンクション蛋白であるE-Cadherin発現が腸管上皮において増強していた.また腸内細菌叢が変化を示した長期投与群がより強い抗炎症作用を示していた.【結論】新規麦芽乳酸菌Lactobacillus brevis SBC8803死菌の長期投与により腸内細菌叢の変化が確認され,DSS誘発性腸炎を有意に改善した. |
索引用語 |