セッション情報 口演

UC(潰瘍性大腸炎)1

タイトル O-098:

PR3-ANCA陽性潰瘍性大腸炎の臨床的特徴(症例対照研究)

演者 北村 まり(青梅市立総合病院消化器内科)
共同演者 長堀 正和(東京医科歯科大学消化器内科), 梅村 佳世(青梅市立総合病院消化器内科), 相川 恵里花(青梅市立総合病院消化器内科), 細谷 明徳(青梅市立総合病院消化器内科), 沼田 真理子(青梅市立総合病院消化器内科), 伊藤 ゆみ(青梅市立総合病院消化器内科), 濱野 耕靖(青梅市立総合病院消化器内科), 野口 修(青梅市立総合病院消化器内科), 渡辺 守(東京医科歯科大学消化器内科)
抄録 【目的】PR3-ANCA陽性潰瘍性大腸炎の臨床的特徴およびPR3-ANCAの意義を明らかにする.【方法】2006年10月より2013年4月の間,急性増悪のため当施設にて入院治療を要した潰瘍性大腸炎症例(42例)のうち,PR3-ANCA陽性症例(16例)を,それぞれの最も近日に入院したPR3-ANCA陰性症例を対照(1:1)として,その臨床像を比較した.また,陽性例での軽快時PR3-ANCA抗体値を前値と比較した.【結果】PR3-ANCAの陽性率は38%(16/42).症例群の平均年齢は47.3歳(対照群35.6歳)とやや高齢であった(p=0.07).性別,罹病期間,罹患範囲,臨床的重症度,内視鏡的重症度,白血球数,Hb値,CRP値,予後(手術率,再入院率)に差は認めなかったが,症例群の50%(8/16)は初発例であり,対照群では19%(3/16)のみであった(p=0.06).入院時に経口5-ASA製剤非内服例は,症例群で37%(6例)に対し,対照群では6%(1例)のみであった(p=0.03).また症例群のうち,8例で軽快時にPR3-ANCAの再検査を行っており,43.8U/mlから6.6U/mlへと明らかに低下していた(p=0.004).【結論】PR3-ANCA陽性UC症例の臨床的特徴は明らかではなかったが,PR3-ANCA値は軽快時には低下しており,疾患活動性バイオマーカーとしての意義が示唆された.
索引用語