セッション情報 | 口演UC(潰瘍性大腸炎)1 |
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タイトル | O-101:クローン病癌化15例の検討 |
演者 | 神山 篤史(東北大学胃腸外科) |
共同演者 | 羽根田 祥(東北大学胃腸外科), 長尾 宗紀(東北大学胃腸外科), 大沼 忍(東北大学胃腸外科), 工藤 克昌(東北大学胃腸外科), 田中 直樹(東北大学胃腸外科), 武者 宏昭(東北大学胃腸外科), 阿部 友哉(東北大学胃腸外科), 高橋 賢一(東北労災病院大腸外科), 生澤 史江(東北労災病院大腸外科), 舟山 裕士(東北労災病院大腸外科), 内藤 剛(東北大学胃腸外科), 森川 孝則(東北大学肝胆膵外科), 片寄 友(東北大学統合癌治療外科), 江川 新一(東北大学災害医療センター), 元井 冬彦(東北大学肝胆膵外科), 佐々木 宏之(東北大学胃腸外科), 青木 豪(東北大学肝胆膵外科), 唐澤 秀明(東北大学胃腸外科), 海野 倫明(東北大学肝胆膵外科) |
抄録 | 【背景】クローン病(CD)の癌化例の報告は本邦でも増えてきたが,癌発生の早期診断は難渋することが多い.【目的】CD癌化例の臨床病理学的な特徴や診断までの経緯を解析する.【方法】1999年から2013年までに当科および当科関連施設にてCD癌化例に対して外科的治療を施行した15例の治療成績をretrospectiveに検討した.【結果】内訳は,男性10例女性5例.CD発症年齢は24.4(13.3-34.3)歳,癌診断時の年齢は38.2(25.8-72.8)歳,発症から発癌まで19.4(1.9-40.2)年であった(いずれも中央値).病型は小腸型1例,大腸型3例,小腸大腸型11例.発癌部位は,直腸・肛門管12例,瘻孔2例,下行結腸1例,盲腸1例(重複1例を含む).診断の契機は偶発的診断が2例,腫瘍マーカーの上昇:5例,肛門痛の悪化・狭窄症状:5例,肛門ポリープに対する生検:3例であった.肛門管主体の病変は13例あり,これらの症例の肛門病変に対する手術回数は平均2.5回であり,直腸空置は7例で行なわれていた.肉眼型は,2型1例,3型4例,5型10例.大腸癌取り扱い規約第7版による病理学的StageはI:1例,II:3例,IIIa:1例,IIIb:3例,IV:6例であり,組織型は分化型腺癌主体が4例,粘液癌主体が10例,扁平上皮癌1例,膀胱,前立腺,膣などの他臓器浸潤を伴うものは6例であった.治療法は骨盤内臓全摘4例,腹会陰式直腸切断術5例,腹仙骨式直腸切断術1例,後方骨盤全摘1例,大腸亜全摘術1例,直腸切除術1例,姑息的手術2例.現在までに8例が死亡している.【結語】CD癌化例の診断は現状では腫瘍マーカーの上昇や症状の悪化などで発見されることが多く,診断時には進行癌であることが殆どである.予後不良であることが多く,厳密なサーベイランスの確立が必要である. |
索引用語 |