セッション情報 | 口演UC(潰瘍性大腸炎)2 |
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タイトル | O-105:当院におけるinfliximabを導入した潰瘍性大腸炎の治療経過の検討 |
演者 | 川上 智寛(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科) |
共同演者 | 岩本 志穗(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 山中 晃一郎(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 岡村 庸介(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 北沢 尚子(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 荻原 伸悟(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 竹村 勇治(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 金澤 亮(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 鈴木 真由(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 野元 勇佑(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 北村 庸雄(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科), 須山 正文(順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科) |
抄録 | 【背景】炎症性腸疾患(IBD)の治療は免疫調整剤や生物学的製剤の使用が保険適応となり,内科的治療の選択肢が広がった.【目的】Infliximab(IFX)が潰瘍性大腸炎治療の保険適応となって以来,当院では,重症もしくは難治の症例18例に使用し,そのうち52週以降の内視鏡検査で粘膜所見の確認ができた15例(男性7例,女性8例,平均年齢37.4歳)につき,IFXの効果を検討した.【結果】15例のうち,全例に先行する5ASAとステロイドの使用があり,血球成分吸着除去療法(LCAP)は8例,Tacrolimusは2例(無効),Ciclosporin Aは2例であった.Azathioprine(AZA)を先行,もしくは同時に投与していたのは7例であった.Infusion reactionを除き,重症感染症,間質性肺炎などの合併症は見られなかった.15例中内視鏡的粘膜治癒(Mayo gradeで判定)となった症例は4例であった.しかし臨床的には寛解導入できたと評価していた10例のうち,6例は内視鏡的粘膜治癒不十分であった.この6例のうち,3例ではAZAを併用しておらず再燃時から追加した.AZA併用時期による有意差は得られなかった.またIFX導入18例中の2例はLCAP,ステロイド,AZAとも抵抗性でIFX投与後も寛解導入できず,1例は難治もう1例はdysplasia病変の出現により全結腸切除術を行った.【結論】IFXの適応については,当院では基本的には他治療を先行し,治療効果の乏しい例で使用しており,いずれも難治・重症症例であるためか必ずしも十分な粘膜治癒が得られていなかった.さらに罹病期間が長い症例ほど,粘膜治癒が得られにくい傾向がみられた.また粘膜治癒している症例については,投与開始時に重症例だったこともありIFXを手術例,infusion reaction例を除いて投与を継続している.今後,IFXの投与をいつまで継続すべきか,また長期的な寛解維持が可能であるのか,さらに症例を積み重ねていく必要がある. |
索引用語 |