セッション情報 口演

大腸癌 化学療法1

タイトル O-108:

ESMO Group2進行切除不能大腸がんの治療成績

演者 丸木 雄太(日本医科大学消化器内科学)
共同演者 河越 哲郎(日本医科大学消化器内科学), 名児耶 浩幸(日本医科大学消化器内科学), 小杉 友紀(日本医科大学消化器内科学), 大森 順(日本医科大学消化器内科学), 江原 彰仁(日本医科大学消化器内科学), 小林 剛(日本医科大学消化器内科学), 植木 信江(日本医科大学消化器内科学), 辰口 篤志(日本医科大学消化器内科学), 二神 生爾(日本医科大学消化器内科学), 藤森 俊二(日本医科大学消化器内科学), 小泉 岐博(日本医科大学消化器外科), 進士 誠一(日本医科大学消化器外科), 菅 隼人(日本医科大学消化器外科), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学)
抄録 (背景)切除不能進行再発大腸がん治療はESMO Group分類により個別の治療法を選択することが検討され始めている.特に腫瘍量の多いGroup2に関しては早期からの腫瘍縮小を狙い分子標的薬の併用が推奨されているが,その詳細は不明である.そこで,今回我々はESMO Group2症例に対し,その治療成績を後ろ向きに解析し,今後の治療戦略に関して考察した.(方法)2008年12月から2013年10月までに当科で治療を行った進行切除不能大腸がん患者67名の中でGroup 2に該当する39名を対象とし,その背景,1st,2nd別の治療成績(生存期間,治療効果,有害事象)に関して後ろ向きに検討を行った.(結果)背景:年齢中央値63.5歳,男性61.5%,PS0(28%):1(44%):2(23%):3(5%):4(0%),病理組織:分化型(79%):未分化型(21%),転移部位:リンパ節(85%):肝臓(85%):肺(49%):腹膜(33%):骨(8%),KRASは27名に測定し野性型(67%):変異型(33%)であった.治療レジメンは1stの92%がL-OHPベース,59%に抗VEGF抗体,8%に抗EGFR抗体が使用されていた.2ndは67%がCPT-11ベース,19%がL-OHPベース,48%に抗VEGF抗体,14%に抗EGFR抗体が使用されていた.1stから2ndへの治療移行率は54%であった.1st,2ndのDisease control rateは77%,48%であった.全症例の生存期間(OS)は16.7Mであった.1stのみで治療終了となった症例と2ndまで治療継続可能であった症例のOSはそれぞれ14.9Mと18.9Mであり後者で有意に延長した.(Log-rank検定:P=0.0002).有害事象はG3以上を経験した者が1st(67%),2nd(61%)であった.(結論)Group2においては,2ndまで治療継続可能な症例は約半数であり,この様な症例で1stのみで治療終了となった症例より有意にOSが延長していることを考慮すると,1stレジメンの選択とマネージメントに特に工夫を凝らし,2ndへ繋げることが重要であると示唆された.
索引用語