セッション情報 口演

大腸癌 化学療法1

タイトル O-112:

KRAS野生型進行再発大腸癌に対する一次治療としてのSOX/mFOLFOX6+Cetuximab療法についての検討

演者 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院腫瘍内科)
共同演者 佐竹 悠良(神戸市立医療センター中央市民病院腫瘍内科), 古武 剛(神戸市立医療センター中央市民病院腫瘍内科), 細谷 和也(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 南出 竜典(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 北本 博規(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 杉ノ下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院消化器内科), 辻 晃仁(神戸市立医療センター中央市民病院腫瘍内科)
抄録 【はじめに】進行再発大腸癌の化学療法は,分子標的系薬剤の導入と共に,進化を遂げてきている.2013年米国臨床腫瘍学会で報告されたKRAS野生型切除不能進行大腸癌の一次治療においてFOLFIRI+B-mab/C-mabを直接比較した第3相FIRE-3試験で無増悪再発期間(PFS)では有意差は認めなかったが,全生存期間(OS)でC-mab群が有意に延長効果を示した.また,mFOLFOX6+B-mab/P-mabの比較を行った第2相PEAK試験でも同様に,P-mab群がOSで有意な差を認め,一次治療で抗EGFR抗体薬併用療法の有用性が示唆されてきている.今回,我々は一次治療として,L-OHP baseのSOX/mFOLFOX6+C-mabの使用経験について報告する.【対象・方法】2011年10月から2013年9月まで,KRAS野生型進行大腸癌に対して,SOX/mFOLFOX6+C-mabにて化学療法を行った23症例(男性12例,女性11例;50-83歳 中央値63歳)で,治療成績,有害事象等を後方視的に調査した.【結果】SOX+C-mab18例,mFOLFOX+C-mab5例で,切除不能進行大腸癌22例,術前化学療法1例であった.治療効果判定は,CR1例,PR15例,SD6例,PD1例で,奏効率は69.6%,病勢コントロール率は95.7%で,無増悪生存期間は中央値に至っていない.有害事象は,皮膚毒性は全例に認め,G1は4例,G2は16例,G3は3症例に認めた.G3以上は,血液毒性として血小板減少3例,好中球減少2例,潰瘍出血に伴う貧血1例で,他に低Mg血症,口内炎をそれぞれ1例に認めた.治療中止は,3例13.0%(肛門周囲膿瘍の増悪,血液毒性,爪囲炎)であった.【考察・結論】KRAS野生型進行・再発大腸癌に対するL-OHP base+C-mab併用療法は奏効率で見る有効性と安全性が確認され,一次治療の選択肢としての可能性が考えられた.
索引用語