セッション情報 | 口演大腸癌 化学療法2 |
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タイトル | O-114:進行・再発大腸癌に対する抗EGFR抗体薬のrechallenge症例の治療成績 |
演者 | 神原 健(公立学校共済組合中国中央病院外科) |
共同演者 | 佐藤 直広(公立学校共済組合中国中央病院外科), 大多和 泰幸(公立学校共済組合中国中央病院外科), 藤本 善三(公立学校共済組合中国中央病院外科), 和久 利彦(公立学校共済組合中国中央病院外科), 剱持 雅一(公立学校共済組合中国中央病院外科), 万波 智彦(公立学校共済組合中国中央病院内科) |
抄録 | 【目的】KRAS野生型進行・再発大腸癌に対し,初回の抗EGFR抗体薬併用療法により腫瘍制御が得られた症例においては,治療が不応後も一定の間隔をおけば抗EGFR抗体薬のRechallengeが有用な可能性がある.そこで我々は多剤耐性となった大腸癌症例に抗EGFR抗体薬(Cetuximab,Panitumumab)によるrechallenge治療を行い,その有用性を検討した.【方法】1次~3次治療で,抗EGFR抗体薬を使用し,腫瘍制御が5.7月以上得られたKRAS野生型切除不可能な進行・再発大腸癌に対し,後治療を行うも多剤耐性となった後,EGFR抗体薬単独あるいは併用療法の再投与を7例に行い,その治療成績を検討した.【結果】年齢の中央値は63才(42~75才),男/女:6/1例,PSは0/1/2:4/2/1例,原発巣の部位は結腸/RS/直腸:1/1/5例,組織型はtub1/tub2/por:3/2/2例,転移臓器個数は1/2/3個:1/2/4例,転移臓器部位は肝/肺/腹膜/骨/その他:7/5/1/1/3例.抗EGFR抗体初回治療の最良総合効果はCR/PR/SD:0/4/3例で,無増悪生存期間(PFS)の中央値(95%信頼区間)は6.7(5.7-10.9)ヶ月,全生存期間(OS)の中央値(95%CI)は26.6(8.6-30.1)ヶ月だった.抗EGFR抗体薬rechallenge(Cmab/Pmab:5/2例)の治療ラインは,3次/4次/5次/8次:2/2/2/1例,抗EGFR抗体薬単独(Cmab alone)/併用療法(CPT11 based regimen)は2/5例,抗EGFR抗体薬初回治療の最終投与から再投与までの間隔の中央値は3.9(3.2~11.5)ヶ月だった.抗EGFR抗体薬rechallengeの最良総合効果は,CR/PR/SD/PD:0/0/4/3例で奏効例は得られなかったが,腫瘍制御率は57%,PFS,OSの中央値(95%CI)は3.3(0.7~5.1)ヶ月,12.4(2.5~19.5)ヶ月だった.【結論】抗EGFR抗体薬の再投与は,その腫瘍制御効果により,多剤耐性となった進行・再発大腸癌患者に対しても,生存期間延長に寄与しうる治療選択枝の一つとして有用と考えられた. |
索引用語 |