セッション情報 | 口演膵癌1 |
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タイトル | O-124:術前化学放射線療法のレジメン別の治療成績―GEM-CRTとGEM/S1-CRTとの比較 |
演者 | 岸和田 昌之(三重大学肝胆膵・移植外科) |
共同演者 | 佐藤 梨枝(三重大学肝胆膵・移植外科), 村田 泰洋(三重大学肝胆膵・移植外科), 種村 彰洋(三重大学肝胆膵・移植外科), 栗山 直久(三重大学肝胆膵・移植外科), 安積 良紀(三重大学肝胆膵・移植外科), 水野 修吾(三重大学肝胆膵・移植外科), 臼井 正信(三重大学肝胆膵・移植外科), 櫻井 洋至(三重大学肝胆膵・移植外科), 田端 正己(三重大学肝胆膵・移植外科), 伊佐地 秀司(三重大学肝胆膵・移植外科) |
抄録 | 【目的】当科では進行膵癌に対して化学放射線療法(CRT)後,手術を施行し治療成績の改善を認めている.また米国NCCN膵癌ガイドラインでは動脈系,門脈系への腫瘍浸潤の程度によりresectable(R),borderline resectable(BR),unresectable(UR)に分類し,治療指針を定義している.前期(2005.2-2011.9)はgemcitabine(GEM),後期(2011.10-2013.3)はGEM+TS1を用いて治療を行っており,resectability別に両群の治療成績を比較検討した.【方法】対象は2005.2-2013.3に進行膵癌(UICC-T3,T4)と診断された183例.前期(N=124)はGEM 800mg/m2(day1,8,22,29),後期(N=59)はGEM600mg/m2(day8,22,36,50)+S-160mg/m2(qw3/4)を投与し,3次元原体照射法(45-50.4Gy/25-28fr)を並行.再評価にて治癒切除が可能と判断された症例に膵切除を施行.比較検討項目はCA19-9減少率,膵切除率,病理的検索(リンパ節転移,腫瘍組織破壊率:Evans分類,R0達成率)とした.【結果】前期群のR/BR/UR症例は16(13%)/56(45%)/52(42%),後期群は2(3%)/30(51%)/27(46%).BR/URの症例割合,CRT完遂率は有意差は認めなかった.CA19-9減少率および50%以上減少した割合は前期群の46.6%,46.5%に対し,後期群は59.2%,57.1%と後期群にて向上した.R/BR/UR別での膵切除率は前期で(100,79,42%),後期群で(100,83,33%)と同等であったが,切除例のR0達成率は前期群(100,79,45%),後期群で(50,96,78%)と後期群におけるBR/UR症例で有意に向上していた.リンパ節(-)は,前期群で(100,56,65%),後期群で(50,50,63%)と有意差は認めなかった.50%以上の腫瘍組織破壊を認めるのは前期群で(57,25,15%),後期群で(0,53,13%)であった.【結論】S1を加えた後期群においてCA19-9の減少率が向上から,より効果的であることが示唆された.特にBR症例では腫瘍組織破壊率,R0達成率を向上させて予後の改善に貢献すると思われた. |
索引用語 |