セッション情報 | 口演膵癌1 |
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タイトル | O-125:Borderline resectable膵癌における術前治療の意義 |
演者 | 廣野 誠子(和歌山県立医科大学第2外科) |
共同演者 | 谷 眞至(和歌山県立医科大学第2外科), 川井 学(和歌山県立医科大学第2外科), 岡田 健一(和歌山県立医科大学第2外科), 宮澤 基樹(和歌山県立医科大学第2外科), 清水 敦史(和歌山県立医科大学第2外科), 北畑 裕司(和歌山県立医科大学第2外科), 上野 昌樹(和歌山県立医科大学第2外科), 速水 晋也(和歌山県立医科大学第2外科), 重河 嘉靖(和歌山県立医科大学第2外科), 山上 裕機(和歌山県立医科大学第2外科) |
抄録 | 【目的】今回われわれはBorderline resectable膵癌症例に対し,R0を目指した術前(放射線併用)化学療法の安全性と有用性を検討する.【方法】2000~2012年に切除したBorderline resectable膵癌132例(≦180度のSMA周囲神経叢浸潤:88例,CHA神経叢浸潤:56例,腹腔動脈神経叢浸潤:47例,門脈浸潤の有無は問わない)のうち,2010~2011年には術前放射線併用化学療法(2Gy/回,25回,計50Gy+TS-1 80mg/m2/日 隔日投与×6週間)を21例に,2012年~は術前化学療法(TS-1 80mg/m2/日 隔日投与×9週間+GEM 800mg/m2 2投1休×3コース)を11例施行した.【結果】術前治療による有害事象(CTCAE version 4.0)は,grade 3が6例(16%),grade 4が4例(11%)であった.PD症例6例を除く32例(PR 1例,SD 31例)に対し,膵全摘1例(3%),膵頭十二指腸切除術17例(53%),膵体尾部切除術+腹腔動脈合併切除術(DP-CAR)14例(44%)を施行した.放射線併用化学療法後にDP-CARを施行した症例10例のうち1例で,放射線照射による腹腔動脈根部の脆弱化を認め,腹腔動脈が損傷し,修復術が必要であった症例を経験し,以後術前治療はGEM+TS1の化学療法のみに変更した.術前治療施行症例32例の病理診断における治療効果(Evans分類)は,grade 1:8例(3%),grade 2a:14例(44%),grade 2b:9例(28%),grade 3:1例(3%)であった.Borderline resectable膵癌132例のR0率は術前治療施行例では17例(81%),非施行例では63例(63%)であった(P=0.05).Overall survivalは,統計学的に差は認めなかったが,術前治療施行症例の方が良好な傾向にあった(中央値23.4 vs. 13.6m,P=0.085).【結論】Borderline resectable膵癌症例に対する術前(放射線併用)化学療法は,R0率の上昇および生存期間の延長が期待できる. |
索引用語 |