セッション情報 | 口演膵癌1 |
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タイトル | O-127:当院におけるcStageIVa膵癌に対する非手術治療の成績 |
演者 | 小野 道洋(札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座) |
共同演者 | 林 毅(札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座), 石渡 裕俊(札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座), 宮西 浩嗣(札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座), 佐藤 勉(札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座), 佐藤 康史(札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座), 瀧本 理修(札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座), 小船 雅義(札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座), 加藤 淳二(札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座) |
抄録 | 【背景】膵癌の根治治療は外科切除のみであるが,発見時に根治切除が可能な症例は2割と少ない.根治切除が困難と判断された症例に対しては,全身化学療法を中心とした非手術治療が行われるが,十分な予後が得られているとは言えない.当院では,初回治療として手術が適応とならないcStageIVa膵癌症例に対して,時期や臨床試験により異なる治療戦略を行ってきた. 【目的】当院におけるcStageIVa膵癌患者の非手術治療の内容と成績を検討する. 【方法】2012年12月までに当院のCT診断でcStageIVaと診断された膵癌のうち,非手術治療を導入された症例を対象とし,1.初回治療内容(化学放射線療法(CRT),動注化学療法(AC),全身化学療法(SC))別の全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS),2.Adjuvant surgeryを施行した症例の治療成績についてretrospectiveに解析した. 【結果】92例(平均年齢67.5歳(37~84歳),男/女;44/48,BR群/UR群;28/64)を本研究の対象とした.1.初回治療別の生存期間中央値(MST)はCRT(n=38)/AC(n=23)/SC(n=31);17.7/16.3/11.0月で,CRT群はSC群より有意に良好であった(p=0.03).Median PFS timeはCRT/AC/SC;11.0/7.2/5.5月で,CRT群がAC群(p=0.04)およびSC群(p=0.0043)より有意に良好であった.2.Adjuvant surgeryを施行されたのは11例(12.0%)で,MSTは23.7月と良好な傾向であった.前治療はCRT単独/CRT+SC/AC+CRT/SC:2/7/1/1例であり,手術までの平均期間は6.5ヶ月であった.術後病理の検討ではdown stagingされた症例は6例(54.5%)で,R0切除率は90.9%であった. 【結語】cStageIVa膵癌の非手術治療としては,CRTが優れていた.また,CRTはneoadjuvant therapyとしても有効であることが示唆された. |
索引用語 |