セッション情報 |
口演
膵癌2
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タイトル |
O-130:進行再発膵癌に対するゲムシタビン・エルロチニブ併用療法における効果予測因子の検討
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演者 |
入江 邦泰(神奈川県立がんセンター消化器内科・肝胆膵) |
共同演者 |
上野 誠(神奈川県立がんセンター消化器内科・肝胆膵), 小林 智(神奈川県立がんセンター消化器内科・肝胆膵), 合田 賢弘(神奈川県立がんセンター消化器内科・肝胆膵), 大川 伸一(神奈川県立がんセンター消化器内科・肝胆膵), 森本 学(神奈川県立がんセンター消化器内科・肝胆膵) |
抄録 |
【目的】ゲムシタビン・エルロチニブ併用療法は進行膵癌に対する標準治療のひとつとされる.エルロチニブを用いた効果予測因子として皮疹の出現が報告されている.さらに,EGFR遺伝子変異(肺癌)やK-ras遺伝子変異(大腸癌)が有用であるとの報告もある一方で,膵癌における効果予測指標の検討は未だ乏しい.今回我々は,進行膵癌に対してゲムシタビン・エルロチニブ併用療法を施行した症例を後方視的に解析して,その効果予測因子の検討を行った.【方法】当院において2011年11月から2013年4月の間にゲムシタビン・エルロチニブ併用療法を行った進行膵癌59症例を検討対象とした.ゲムシタビンは,1000mg/m2を経静脈的に投与し,4週間を1クールとして1日目,8日目,15日目に投与した.エルロチニブは,100mgを連日経口投与した.無増悪生存期間(PFS)に寄与する因子について,UICC stage,性別,年齢,CRP値,performance status(PS),皮疹出現の有無を用いて検証した.PFSはKaplan-Meier法にて評価し,Log-rank検定を行った.また,多変量解析にはCox比例ハザードモデルを用いた.【結果】UICC stageII:III:IVが1人:8人:50人,男女比は男性36人:女性23人,年齢は41歳-82歳(中央値65歳),CRP値は0.02mg/dl-11.5mg/dl(中央値0.57mg/dl)であった.皮疹は48人に出現していた.PFSに寄与する因子の単変量解析では,CRP低値(中央値で2群解析)と皮疹出現において有意差を認め(それぞれp=0.002,p=0.005),多変量解析においても両者とも有意であった(それぞれp=0.004,p=0.04).【結論】治療前因子であるCRP低値と治療開始後の有害事象(皮疹)出現が,進行膵癌に対するゲムシタビン・エルロチニブ併用療法における有用な効果予測因子であった.同併用療法の適応選択あるいは治療継続の判断に寄与する知見であると考える. |
索引用語 |
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