セッション情報 口演

膵癌 術後化学療法

タイトル O-133:

当院での膵癌術後補助化学療法を振り返る―S-1の投与量からみた検討―

演者 今岡 大(愛知県がんセンター中央病院消化器内科)
共同演者 清水 泰博(愛知県がんセンター中央病院消化器外科), 水野 伸匡(愛知県がんセンター中央病院消化器内科)
抄録 <背景>近年JASPAC-01試験によって,膵癌術後補助化学療法の無再発生存期間(RFS)におけるGEMに対するS-1の優越性が示された.しかし臨床においてS-1による術後補助化学療法が困難な場面も稀ではない.そこで我々は当院での膵管癌の術後補助化学療法について後方視的に検証を行った.<方法>対象は外科的切除により肉眼的治癒切除が得られた膵癌症例のうち,術後補助化学療法としてGEMが投与された88例とS-1が投与された35例,手術単独であった163例.S-1投与群においては,JASPAC-01試験に基づく予定投与量を100としたrelative dose intensity(RDI)に基づき検証した.<結果>RFS中央値はGEM群;17.3ヶ月,S-1群;15.9ヶ月,手術単独群;11.1ヶ月であった.GEM群に対するS-1群の再発ハザード比は0.92(95%CI;0.51-1.65)であった.S-1のRDI中央値は99.5,平均値は85.8.RDIに基づくRFSの検証結果については図に示す.S-1群の20%で消化器毒性による減量休薬を余儀なくされた.<結論>GEM群とS-1群に有意差は認められなかった.S-1の毒性により十分な投薬が行えなかったことが一因として考えられる.
索引用語