セッション情報 | 口演膵癌 術後化学療法 |
---|---|
タイトル | O-134:10000mg以上のGemcitabineを用いた切除後膵癌補助化学療法は生存期間を延長した |
演者 | 鈴木 修司(東京女子医科大学消化器外科) |
共同演者 | 羽鳥 隆(東京女子医科大学消化器外科), 君島 映(東京女子医科大学消化器外科), 大島 奈々(東京女子医科大学消化器外科), 鈴木 隆二(東京女子医科大学消化器外科), 出雲 渉(東京女子医科大学消化器外科), 清水 京子(東京女子医科大学消化器内科), 白鳥 敬子(東京女子医科大学消化器内科), 山本 雅一(東京女子医科大学消化器外科) |
抄録 | 【目的】2012年までの本邦における切除後膵癌に対する標準治療であったGemcitabine(GEM)による補助化学療法の投与時期,投与量が生存期間にどのような影響を与えるかについて検討した.【方法】対象は2005年から2011年までに切除後膵癌に対しGEMによる術後補助化学療法を施行した71例である.通常,GEM投与は術後30-60日程度で行っているため,投与時期を術後45日と60日で,投与量を10000mgで各々分け,無再発生存期間(RFS),全生存期間(OS)を検討した.【成績】平均年齢は66.7歳,男性33例,女性38例であった.腫瘍の局在は膵頭部41例,膵体尾部30例であった.Stageは1;3例,2;3例,3;23例,4a;32例,4b;10例であった.全症例のRFS(median,2年)は12.1ヵ月,28.2%で,OS(MST,5生率)は31.2ヵ月,33.2%であった.GEM投与時期を術後45日以前と46日以降で分けると,RFS(median,2年)は各18.5ヵ月,37%と9.1ヵ月,22.7%,OS(MST,5生率)は各40.1ヵ月,38.8%と24ヵ月,29.8%で有意差はなかった.投与時期を術後60日以前と61日以降で分けても,RFS(median,2年)は各15.8ヵ月,30.8%と7.3ヵ月,21.1%,OS(MST,5生率)は各33.6ヵ月,34.5%と16ヵ月,30.7%で有意差を認めなかった.GEM投与量を10000mg以上と10000mg未満で分けると,RFS(median,2年)は各18.5ヵ月,38.8%と6ヵ月,4.6%,OS(MST,5生率)は各45.6ヵ月,45.2%と16ヵ月,12.9%でいずれも10000mg以上で有意に良好であった.そこで,投与時期を術後45日及び60日で分けた各々の場合で投与量を比較したところ,投与時期に関わらず10000mg以上でRFS,OSとも有意に良好であった.【結論】切除後膵癌におけるGEMを用いた補助化学療法では,投与時期よりも10000mg以上の投与量を確保することがRFS,OSの延長につながると考えられた. |
索引用語 |