セッション情報 口演

胆道ドレナージ

タイトル O-138:

抗血栓薬内服下での経皮的胆嚢ドレナージの安全性の検討

演者 佐藤 悦基(昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門)
共同演者 北村 勝哉(昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門), 山宮 知(昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門), 石井 優(昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門), 岩田 朋之(昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門), 野本 朋宏(昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門), 池上 覚俊(昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門), 吉田 仁(昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門)
抄録 【背景】様々な背景により早期の胆嚢摘出術が選択できない急性胆嚢炎において,経皮的胆嚢ドレナージが第一選択であるが,抗血栓薬内服症例では経皮的処置は原則禁忌であり,内視鏡的経乳頭的胆嚢ドレナージ(EGBD)などの代替治療を選択することになる.しかし,その不成功例などでは経皮的胆嚢ドレナージを選択せざるを得ない事もあり,出血のリスクの許容の是非については議論の余地がある.抗血栓薬内服下での経皮的処置の安全性について検討を行った.【方法】当施設において2010年1月から2013年6月までに抗血栓薬内服中の胆嚢炎に対して経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)を施行した16例および経皮経肝胆嚢穿刺吸引法(PTGBA)を施行した6例,計22例を対象としretrospectiveに検討した.尚,当施設での抗血栓薬内服下の胆嚢炎に対する治療戦略は,EGBDを第一選択とし,その不成功例は胆嚢炎の重症度などを考慮の上で経皮的ドレナージに移行し,原則としてPTGBDを選択するが,出血リスクがより高いと判断した症例はPTGBAを選択している.また,PTGBDは2 step法で行い,穿刺針は細径針を用いている.【結果】全例で出血の併発症を認めなかった.抗血栓薬は単剤が16例,2剤以上が6例で,その内訳や背景疾患による出血リスクに差は認めなかった.【考察】当施設において抗血栓薬内服下での経皮的胆嚢ドレナージは安全に施行可能であり,出血例は認めなかった.抗血栓薬内服下においては2 step法を用い,細径針での穿刺とするなどの工夫が,出血のリスク軽減につながった可能性がある.EGBD不成功例における経皮的胆嚢ドレナージは,許容し得る手技の一つであることが示唆される.
索引用語