セッション情報 | 口演胆道ドレナージ |
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タイトル | O-140:細径デリバリーシステムを用いたEUS-guided antegrade stenting併用EUS-guided hepaticogastrostomy |
演者 | 小倉 健(大阪医科大学第二内科) |
共同演者 | 増田 大介(大阪医科大学第二内科), 井元 章(大阪医科大学第二内科), 瀧井 道明(大阪医科大学第二内科), 神山 絵里子(大阪医科大学第二内科), 梅垣 英次(大阪医科大学第二内科), 樋口 和秀(大阪医科大学第二内科) |
抄録 | [背景・目的]最近当科では,EUS-HGSによる胆汁性腹膜炎防止やステントの長期開存を目的として,EUS-guided antegrade stenting(EUS-AS)を併用したEUS-HGS(EUS-HGAS)を施行している.今回は,EUS-HGASを施行した症例を提示し,その有用性を検討することを目的とした.[対象と方法]当科でEUS-HGASを施行した16例と,同時期にEUS-HGSを施行した16例,計32例を対象とした.EUS-ASでは,ERCPカテーテルで鈍的拡張を行い,狭窄部をwireで突破したのち,Zilver 635をantegradeに留置を行った.本デリバリーは6Frであり,バルーン拡張等の瘻孔拡張操作なしに挿入が可能である.EUS-ASにより十二指腸側へ胆汁が排泄され,EUS-HGS時の瘻孔拡張に伴う腹腔内への胆汁漏出が軽減され,さらにはHGS,あるいはASのいずれか一方が閉塞してもドレナージ効果が得られること,HGSを施行することでAS閉塞時のre-interventionルートが確実に確保されていることがメリットと考える.[結果]原疾患は膵胆道癌が21例,消化器癌が11例で,施行理由は消化管狭窄が20例,術後腸管が11例,胆管挿管不能が1例であった.EUS-HGASのステント留置は,transpapillaryが6例,supurapapillaryが10例であった.手技成功率は両群で100%であった.血清ビリルビン値は,HGS群で14.1±6.2 mg/dlから2.0±1.1mg/dl,HGASで11.7±5.1mg/dlから1.3±0.7mg/dlに改善した.手技時間はHGS群で28.2±6.2min,HGAS群で29.4±8.2minで有意差は認めなかった.偶発症は,ES-HGS群で腹膜炎を4例(25%),EUS-HGAS群で膵炎を2例(13%)に認めた.膵炎を起こした2例はいずれも膵管拡張がなく,transpapillaryに留置した症例であった.[考察・結語]全例で瘻孔拡張操作なくEUS-ASが可能であった.EUS-HGASは,膵管拡張のない症例への適応は慎重にすべきであるが,有用なドレナージ法である可能性が示唆された. |
索引用語 |