セッション情報 口演

術後再建腸管におけるERCP

タイトル O-143:

ダブルバルーン内視鏡を用いた術後再建腸管における内視鏡的逆行性胆管膵管造影の消化管再建法別成功率と今後の課題

演者 原 泰将(富山県立中央病院内科)
共同演者 松田 耕一郎(富山県立中央病院内科), 織田 典明(富山県立中央病院内科), 須田 烈史(富山県立中央病院内科), 米島 淳(富山県立中央病院内科), 在原 文教(富山県立中央病院内科), 堀田 洋介(富山県立中央病院内科), 松田 充(富山県立中央病院内科), 酒井 明人(富山県立中央病院内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院内科)
抄録 【目的】2004年にダブルバルーン内視鏡(DBE)が発売され,小腸だけではなく再建腸管における内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)および処置でも用いられている.今回我々はDBEを用いたERCPおよび処置の消化管再建法別成功率について検討した.【対象と方法】当院でDBE(EN-450T/5)を導入した2007年4月から2013年8月までの間に,術後再建腸管にDBEを用いてERCPおよび処置を施行した87例を対象とし,再建法別に検査や処置の成功率を算出した.再建法の内訳は,Roux-en-Y法(R-Y)31例,胆管空腸吻合20例,膵頭十二指腸癌切除(PD2A)31例,その他5例であった.検査や処置の内訳は,造影や生検12例,内視鏡的採石30例,胆管ステンティング24例,その他の処置が5例であった.【結果】造影成功率はR-Yで59%(32例中19例),胆管空腸吻合で85%(20例中17例),PD2Aで94%(31例中29例)であった.処置成功率はR-Yで56%(32例中18例),胆管空腸吻合で80%(20例中16例),PD2Aで90%(31例中28例)であった.不成功の理由としては乳頭や吻合部まで到達できない例や,乳頭や吻合部が確認できない例が多く見られた.また複雑な再建法や再建法が不明な例でも不成功となるものが多かった.経時的には2011年11月までは処置成功率61%(51例中31例)であったが,当院にDBE(EI-530B)が導入された2011年12月から2013年8月までは処置成功率89%(36例中32例)であった.【結語】DBEを用いることにより術後再建腸管におけるERCPおよび処置の成功率は高まっているものの,R-Yや胆管空腸吻合では低い傾向にあった.今後さらに症例を蓄積し,手技の熟達やスコープ・処置具の改良が必要と考えられる.
索引用語